異世界に行く方法その75

「よっしゃ、じゃあ今回はマジもんの異世界に行く方法を久しぶりにためしまーす! 準備はいいですかぁ?」



 あからさまに嫌そうな顔をする魔王アズリタンに牛乳を、そして同じくやる気のない精霊王ツィタニアに珈琲牛乳を渡す。



「ここは秋葉原、世界全ての瓶飲料が揃う場所や、そして地下鉄行くで!」



 ツィタニアとアズリタンを連れて宗麟は今回ヤバい系の異世界に行く実験を行う。



「えぇ……とりあえずここから日比谷線に乗るでぇ! んで行く先とはとりあえず茅場町駅に行く」



 電車で五分少々揺られると、すぐにその駅に到着した。何しに電車に乗ったんだろうとツィタニアもアズリタンも思う中、宗麟は二人の手を引い降りる。



「よっしゃあ! じゃあここから八丁堀方面に行くと鉄格子があるらしいんや」



 アズリタンが宗麟の手を離すと牙を見せて走る。



「余が見つけてやろうぞ!」

「魔王サマ、転びなや」



 宗麟の注意的中。どてんと転ぶアズリタン。そして彼女の転んだ先には鉄格子。それに頭をうつと共に何か白い粉を散らす。



「うへっ! しょっぱっ! 塩だ! なんでこんなところに塩が盛ってあるんだ! 嫌がらせかっ!」



 宗麟は半べそをかいて塩まみれのアズリタンをパンパンと叩いて塩を落とす。そして宗麟は頷く。



「塩に犯された魔王サマ、何それ? 同人誌? みたいな状態やけど、とりあえずそれでええわ。本来足で散らすんやけど、次行くで! 東西線に乗り換えや!」



 また電車に乗るという事に不思議がるアズリタン。されど、ツィタニアは以前、エレベーターで異世界に行く方法を行った事がある。



「宗麟、この方法で行く異世界はどんな場所なんですか?」

「いや、知らんけど。方法しか書いてへんし」

「また貴方はそんな適当な知識でヤバい事をしようというのですか! 少しは学習してくださいよ」

「今回は最終的に自分の行きたい異世界を願うとあるから、そんな邪悪なもんちゃうんちゃう?」



 そうこう言う内に高田馬場駅で降車し、西武新宿線への乗り換え方面に向かう。そこで何故かツィタニアはバナナの皮を踏んで盛大に滑った。



「きゃああ! こんな……ギャグみたいな事」



 そこで鉄格子に頭をぶつけ、その下に盛ってある塩をぶちまけた。そこでツィタニアは腰をさすりながら言う。



「宗麟、なんでこんなに盛り塩がしてるんですか? 絶対ダメなやつですって」



 そのやりとりを聞きながらアズリタンがつまらなさそうに言う。



「これは、あれか? ミノタウロスの迷宮に入る方法に酷似しておるな」



 いきなり、信憑性が上がる事を異世界の魔王が言ってしまう。宗麟とツィタニアは顔を見合わせながらこう言った。



「すぐにやめましょう!」

「よっしゃ続行や!」

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