異世界に行く方法その70

「はい、秋葉原にやってきましたぁ!」

「神保町からすぐですからねぇ」

「いつも異世界の精霊王とは思えない補足ありがとうな精霊王サマ」



 デンキ街側の秋葉原駅の前でそんな話をする宗麟とツィタニア、まわりを見渡して秋葉原にまだ慣れていない魔王ことアズリタンははじめてテーマパークへきた小さな子供のように興奮気味に言う。



「こぞー! こぞぉ! ここが世界一の情報発信の街、アキバなのだなぁ!」

「うん、魔王サマも滅茶苦茶俺の世界に染まってもうてるなぁ。今日は秋葉原中でうろうろしとるある種存在するNPC、メイドさんについてや」



 周囲を見渡すと客引きの為にビラをくばったり、謎の踊りをしてみせる可愛らしいメイドさんであふれている。



「余の城にも余を奉仕する為のメイド達が沢山おったぞ」

「あぁ、そのメイドと俺らの日本におるメイドさんはまたちゃうんやわ! 向こうはこっちをご主人様、お嬢様と言ってくれるけど、俺らもメイドさん。さんという敬称をつけるんや? わかるか? これはギブアンドテイクの関係やな」



 そう言われるとツィタニアもアズリタンも周囲を徘徊するメイドさんを見て稀有な表情を向ける。



「何ものなのだ? あやつらは?」

「知りたいか魔王サマ?」

「うぬならばついてこい、そこに魔王サマの知りたい心理と底なし沼がある!」



 スタンダートなメイド喫茶に入る三人。メイドさん達はご主人様およびお嬢様によくしてもらったネコが人間になって恩返しをしてくれる……というコンセプト。



「あれがネコとかいう下等生物だと言うのかぁ! この食い物。見た目よりチープで微妙な味がするが、獣風情が作れるのかぁ!」



 続いてコンセプト喫茶。お客様は将軍か姫という設定でもてなしてくれるそのお店にツィタニアとアズリタンは難色を示した。



「お帰りなさいませ姫!」

「私は王ですよ!」

「余も魔王だ!」



 苦笑するキャストの女の子達。今回、ツィタニアは宗麟が二人に異世界間を与えてくれているのだと思っていた。が、これはまだ異世界に行く実験の序章でしかなかった事をツィタニアは知る。



「じゃあそろそろいこか?」

「こぞう、何処にだ?」

「まだ他のカフェにですか?」



 宗麟は小指を耳の中に入れると目を瞑ってからこう言った。



「ある種最高の性感帯、耳をリフレしてくれる。耳かき膝枕の魔境や! 俺もはじめていくさかい大分緊張しとる。それこそが、異世界と言える秋葉原におけるさらに異世界や」



 三人はその宗麟の言う店に行くや否や、女の子が膝枕をしてくれて……そしてその無防備な耳の穴をかっぽじられる。



「はぅん!」

「にゃ、しゅごいのぉお」

「いく、いくでこれぇ!」



 三人とも別々の快楽を表現し、そして果てた。秋葉原にはまだまだ僕等の知らない異世界があるのだ。

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