異世界に行く方法その47

「精霊王サマ、前にMMORPGを一緒にプレイした事あったやろ?※異世界に行く方法19参照な」



 それを聞いてツィタニアはフラッシュバックする。あの無限とも思える時間をつぎ込んだゲームプレイの日々。大手ギルドに入り、重課金兵達とプレイ時間という修行を持って肩を並べて旅をした記録。



「え、えぇ。ありましたねぇ」

「そのゲームが本日、十八時を持ちましてサービス終了となりまーす!」



 その話を聞いたツィタニアの瞳からは涙が伝った。あの狂おしくも愛おし記憶がよみがえってくる。三十六時間インし続け、イベントのランカーになったツィタニア、パーティーを守り、自ら前にでるプリーストとして彼女のアバターは畏敬の念を持ちこう呼ばれた。

フェアリー・キング精霊王と。



「まさか、たまにはログインしようと思っていたんですよ? サービス終了って世界の終焉じゃないですか……」

「まぁまさにラグナロクやな」

「宗麟、貴方はそんな辛く、悲しい事を私に教える為にその話をしたんじゃないんでしょう?」

「あぁそうや。今回、サービス終了するゲームにずっとインしてたら異世界に行けるんじゃないかー! を試しまーす!」



 宗麟はネトゲ依存症になっていたツィタニアに自分のサブノートパソコンを渡した。二週間程ツィタニアは依存症を抜く為に発狂したが、その後はなんとか社会復帰できたのだが、ノートパソコンに触れた瞬間、フラッシュバックした。



「来ましたよぉ! さぁ、あの日々よ今! ログインです!」

「よし、その意気や」



 宗麟、レベル36の剣士とツィタニア、レベルカンスト、全てレジェンド装備に身を包んだプリーストがネトゲ世界に立った。



「ぷぷぷ! なんですか宗麟! そのクソ雑魚なめくじなキャラクターは!」

「これか? 何処にでもいるその辺の剣士プレイや。レベルカンストさせて俺つえーはもう卒業してん」



 宗麟がマニアックな遊びをしている事。そしてツィタニアのこの超絶時間をかけたプレイの結晶を初心者の遊び方と揶揄された事にツィタニアは激高しそうだったが、画面にタイマーが出ている事に気づいた。



「これは……もしかして!」

「せや、このゲームの残りの寿命や。メインの広場に行くで!」



 宗麟がそういうのでキャラクターを動かしてメイン広場にツィタニアも移動した。



「こ、これは!」



 そこには今までプレイしていたであろうプレイヤー達が一同に介していた。そして皆全体チャットでカウントダウンをしている。



「夢の終わり、兵たちの夢の後とでも言うんかいな?」



 宗麟のその言葉にツィタニアは首を横に振った。



「いいえ、これをきっと思い出と言うんですよ」



 ツィタニアと宗麟もカウントダウンに参加し、そしてサービス終了。二人はゲームをプレイしていた部室で茫然としていた。



「いけたかもな? 異世界」

「えぇ、あの一体感は瞬間そうだったのかもしれません」



 ネトゲのサービス終了にインしていると異世界に行ける気分を味わえる。

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