異世界に行く方法その44

「なぁ? 精霊王サマ、クリスマスって知っとるか?」

「いいえ、残念ながら明るくはないですね」



 宗麟はクリスマスなんてイベントはどんな異世界間でも存在しているものだと思っていたが、宗麟の異世界の世界観はほぼソーシャルゲームでしかないので、よくよく考えればソーシャルゲームを作っているのは宗麟の世界だから当然だったと思い出す。



「まぁ、簡単に言うとサンタっていう全身赤い服を着た爺がトナカイに乗って良い子の家にプレゼントをこっそり運びにくるという奴やな」

「へぇ、素敵じゃないですか! 不法侵入ですけど」

「あぁ、子供は極限までテンションが上がるんだわ。不法侵入なんだけどな」

「でも、トナカイに乗ってくるなら足音とかで気づかれませんか?」



 何を仰るウサギさんと言わんように宗麟は指を振る。そしてツィタニアに宗麟は驚愕の事実を話すように伝えた。



「それが、サンタの奴。空飛ぶトナカイと空飛ぶソリに乗ってやってくるんや! もうどう考えても俺の世界の住人とちゃうやろ?」



 宗麟の説明を聞いてツィタニアは少し考える。ホワイトボードにいくつかの魔法を絵にしてせた。



「浮遊魔法と、召喚、あるは魔法道具のソリ等を複合させて使っているんでしょうね? そして一晩で子供たちに配り切るとなれば、人数が多いか、時間を操る魔法をお使いなのかもしれません」

「という事で、今回我々は、サンタを捕まえてその真相を得る。そしてお願いする事は一つや! 異世界に私を連れていって!」 



 合宿申請を出して宗麟とツィタニアは靴下型の巨大な入れ物を画用紙で作るとそれを頭の上に吊らして、ケーキやチキンを食べお祭り騒ぎ。そして夜も遅くなってきたので並んで眠る。



「なんだか宗麟ドキドキしますねぇ!」

「精霊王サマは何をお願いしたんや?」

「魔法を使えるようにと! 宗麟の方は?」

「魔王に会えますようにやな!」



 二人してふふふと笑いながら待つ。サンタがやってくるのは一体何時なのか? 一時間おきに目覚め相手を起こして仮眠。それを繰り返しツィタニアは空いた口が塞がらない。



「そーりん! そーりん! サタンきましたぁ!」

「サンタじゃ!」



 宗麟は眠たそうな目をこすりながらサンタと目が合う。そしてサンタに手を出してからこう言った。



「魔王おくれ!」

「やれん」

「じゃあ異世界に連れて行って」

「それもできん」

「じゃあ何ができるんじゃ爺ぃ! コラぁ!」



 宗麟が怒鳴るとサンタは倒れ、腰をさする。それにツィタニアはサンタを支えてから心配するとサンタは語った。



「お前たち、ワシのかわりにサンタをして別の世界覗いてみんか?」



 宗麟とツィタニアは大声でこう叫ぶ。



「キタあああああ!」

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