異世界に行く方法その36

「うわぁ! 宗麟綺麗ですねぇ! そして素敵な香りですねぇ! なんというお花なんですか?」

「えー、こちらはラベンダーともうしまーす!」



 土曜日に宗麟はツィタニアを連れ出して神奈川は相模原にある相模原北公園にやってきていた。

 目的はこのラベンダーを見に来たのである。当然、綺麗なお花見学に来たわけではない。今回は知る人ぞ知る異世界に行く方法を試しに来たのであった。



「とーきおー、かけるーしょうーじょー!」



 歌いながら、宗麟はラベンダー畑で楽しそうにしているツィタニアを眺める。動物園に行った時や美味しい物を食べている時よりもツィタニアは嬉しそうである。



「精霊王サマってもしかして無類のお花好きの人ですか? そういえば俺が召喚した時も大分アホみたいな恰好してましたけどぉー」



 頭に花冠をつけて、お花をあしらった服を着ているツィタニア。異常なくらいお花とか好きな人なのかなくらいで考えていたらツィタニアは少しばかりいっちゃってる顔で答えた。



「私は精霊王ですよー! 花といえば私のアイデンティティーみたいなものでー、これだけのお花に囲まれていたらなんだか力もみなぎりますよぅ! ふひひひ!」



 ようするにお花はツィタニアの力の源そのものであると宗麟はツィタニアのテンション爆上げの状態から聞き取った。



「過去に飛んだりするっちゅーネタを今日は行おうと思っててんけど、まぁ同時進行したらええか? 2000年代に入って時をかける少女っちゅーアニメ映画があってんけどな? それの元ネタはドラマやったんやわ。それがラベンダーの香りをかぐとテレポートする的なそんなやつやな。まぁ俺はねらわれた学園とか、7日戦争とか少し昔の実写ドラマとか映画が好きでのぉ! わんちゃんあるんちゃうかーと思ったら……聞いちゃあいねぇ!」



 テンション爆上がりのツィタニアは踊りだし、歌いだす始末。そしてそれを他の観光客達が拍手であおる。

 服装からして公園の関係者か大道芸人とでも思われてるのかもしれないが……小銭すらまかれ始めている。



「おい、精霊王サマ……そのくらいに……」

「大魔法! エレメンタルフレアー!」



 空に虹色のエネルギーの塊を放出したツィタニア。観客たちはその演出に拍手喝采。そして宗麟はドン引きする。



「おい、精霊王サマ……今、魔法使えたんちゃうんかい?」



 酔いから醒めたツィタニアはラベンダーにも慣れ、そして魔法が使えるなんて事は無かった……とりあえず宗麟は今回の事は黙っておく事にする。

 お花畑は異世界に行けるかもしれない。今後試行錯誤が必要であるとメモをした。

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