異世界に行く方法その33

「よぉおっ! せい!」



 ノコギリを取り出して宗麟は自分のギプスを切る。ゴリゴリとそれを切る様子を見てツィタニアが悲鳴を上げる。



「ひぃいいい! なんだかそれは怖いですよぅ!」



 本来病院で切り落とすそれを宗麟が病院を抜け出しているので自分で切る。パカっとそれが外れる。宗麟は足を動かしているとニィと笑って呟いた。



「動くでぇ! よっしゃあこれから異世界に行く方法を前みたいに全力で探すでぇ!」



 宗麟、完全復活!

 それにツィタニアもまた笑顔になった。



「宗麟は私程ではないにしても、かなり頑丈な人間でありますね」

「頑丈……そうや! 精霊王サマ、お前トラックに轢かれても死なへんかったな! というかバケモンやんけ!」



 ツィタニアは宗麟と出会った当初の事を思い出す。宗麟に言われてトラックに突っ込んだ。そして大けがを負った事を思い出す。



「そういえば、私を……宗麟あの時の事をまだ謝罪頂いていませんよ! それに私は化物ではなく精霊王です!」



 宗麟は自分の身体が全快した事で今回は精霊王ツィタニアの頑丈さを使った実験を考える。じぃーと熱い眼差しを受けるツィタニア。



「なんですか宗麟? 私に魅力にやられてしまいましたか?」

「まぁ、寝言は寝て言えやクソ精霊王サマ。その精霊王サマのタフネスがあれば色々実験の幅が広がるやろ?」

「もう嫌な予感しかしませんが……」

「で? 精霊王サマはどのくらいのダメージまでは大丈夫なんや?」



 宗麟の質問に対して、ツィタニアは考える。今までの戦いや、冒険においての経験上から宗麟にこたえる。



「今まで私が死にかけた事と言えば、深淵に住まう魔王に匹敵する魔竜ドゥアリグル・アラグの一撃。あれは死ぬかと思いましたね。なんせ身体が半分に分かれかけましたからね」

「成程、半分までは大丈夫……と」

「すとーっぷ! ダメですよ! 私、今魔法使えないんですから次あのレベルのダメージを受けたら確実に死にます」

「トラックに轢かれるくらいは大丈夫なんやろ?」



 思い出して嫌々頷く。



「あれも随分痛いんです……えぇ? 何? なんですか?」



 宗麟はツィタニアを持ち上げると宗麟は窓を開けてツィタニアを窓の外に放り投げてみた。ツィタニアは叫び声と共に落ちていく。



「ここは三階、ダメージ的にはトラックに衝突されるよかたいした事ないやろ……せやけど、偶然死んだら、予定にない死とかで異世界行けるんちゃうか? あっ……でもそれやと俺が殺した事になるやんけ……おーい! 精霊王サマぁ、生きとるかぁ?」



 地面に激突したツィタニアは顔を上げる事もなく、親指を上げて見せた。

 物理的な方法でツィタニアは死なないという事を宗麟は今初めて認識した。

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