異世界に行く方法その13

「精霊王サマ、異世界に行く方法やけどな? 今日は押し入れを使った異世界転移をおこなってみるで! この前のが大分ヤバい方法やったけど、逆に言えば何かしら効果的な物が見えてきたわけや! 違うか?」

「私はその効果とやらを知らないのですが……まぁ、宗麟がそう言うならそうなんでしょう……では」

「けったいな言い方しよんの! まぁええわ。今回は前回に比べてマイルドや! 部室の物置を使う。用意するものはこれや!」



 段ボールに紙に水の入ったコップ。何も入っていない空のコップ。そして筆ペン。



「これを使ってどうやって行うのですか?」

「今回は自分を贄にした召喚っちゅーかんじやな?」



 召喚という言葉を聞いてツィタニアの中で期待感が大きく広がる。



「精霊王サマ、この紙に自分の名前書いて」

「は、はい! ツィタニアと」

「なんやこの文字……これが異世界の文字か、写真撮っとこ」



 パシャりとそれを残す宗麟、そして紙を返す。



「じゃあ物置に段ボール箱いれたんで、この紙とコップもって精霊王サマ、物置に入ってや! それで閉めるから、そん中で名前書いた紙を水の入ったコップに落とす!」



 そして年齢を二乗した数まで数えてから水を入れ替える。



「で、全部終わったら物置から出てや! そこが、待ちに待った異世界や!」

「ちょっと、宗麟先ほどのお話では……」

「ええからいけぇ!」



 物置からがさごそと聞こえるのでツィタニアは工程を進めているのだろう。月間ムーを読みながら宗麟は全ての工程が終わるのを待っていた。

 ずーっと感じる物置の中の気配。

 そこで宗麟は気づいた。年齢の二乗。精霊王などと名乗る存在だ、それなりに年を食っているのだろう。



「いくら二乗しても9000とかやんな?」



 下校の時間はとっくにすぎて、もう二十二時前、合宿申請を出しているものの、夜食を買いに行っても尚、がさごそと何かをツィタニアは行っている。

 段々イライラしてきた宗麟は物置を開けた。



「うるあぁああ!」

「きゃああ! なんですか宗麟!」

「ワレはなんぼ程数えとんねん!」

「400万ですが? 今でやっと12万五千です」

「うん、悪かった。とりあえず出てカップ麺を食おう」



 今回の実験において対象は人間に絞らねばならないという事を宗麟は痛く感じた。まさか精霊王ツィタニアが二千歳という異常な年齢であった事。



「俺とあんまり見た目年齢は変わらんのにな」



 おでんをハフハフ言いながら食べるツィタニアを見ながら、まじまじと異世界の住人なんだなと思いつつコンビニのおにぎりにかぶりついてメモ帳に今回の方法に関して記載した。

 地球人に限ると……

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