異世界に行く方法その6

「精霊王サマ、ここにミスタードーナッツの商品が三つあるやろ?」



 ポンデリング、オールドフッション、エンゼルフレンチの三つを皿の上に乗せて宗麟は見せる。



「おぉ! これは実に美味しそうですね宗麟」

「ミスドのドーナッツは美味いに決まってるやろ!」

「宗麟、私は一つの事に気づいたのです。マクドナルドを宗麟はマクドと言いますよね?」

「おぉ、マクドはマクドやないか?」

「ですが、この東京にいる多くの方はマックと言いますよね?」

「言うのぉ! 小さいツは何処からきてんほんまに」

「でも、マックシェイクはマックですよね?」



 ややこしい事を話すツィタニアに宗麟は一括する。



「マックはアップルのパソコンだけで十分や、で何が言いたいねん精霊王サマ」

「いえ、ミスドはミスドですねと」

「それだけ?」

「はい」



 あまりにもどうでもいいことを言われたので、宗麟はツィタニアの頭にチョップを食らわした。



「痛い! 何をするんですか宗麟」

「煩いわ! 今回の異世界に行く為の実験や! このドーナッツを使って行うで、ここに三つのドーナッツ。これを俺と精霊王サマで分けたとする。何が食いたい?」

「それは究極の選択に等しいですね! ですが……ここはポンデリングです」

「よし、精霊王サマの選んだ未来はポンデリングを食べるという事や、でここから俺が選ぶ可能性は二つ。オールドファッションかエンゼルフレンチや、そして選んだ方と逆のやつがさらに半分になる。それがさらに二通り」



 唐突に確率の話をしだす宗麟にツィタニアは頭が追い付かない。何を言っているのかいまいち理解できないのだ。



「なるほど、全然意味が分からないのですが、何やら凄そうです。今回はどうすればいいんですか?」

「とりあえず、オールドファッションかエンゼルフレンチをを食べてくれ」

「えっ? 私はポンデリングを……」

「いいから!」



 宗麟にそう言われてツィタニアはオールドファッションを食べた。もぐもぐとそれを食べ、宗麟はポンデリングを食べる。



「「うまい!」」



 ミスタードーナッツにしばし舌鼓を打ち、残る一つを残した状態でコーヒーを飲んで口の中の甘味を取り去ると宗麟は話した。



「俺たちは当初の予定とは違うドーナッツを食べたわけやんな?」

「えぇ、そうですね」

「じゃあ、本来俺たちが予定通りにドーナッツを食べた俺たちは何処に行ったんだと思う?」



 宗麟が言っている事の意味が分からない。



「いえ、その私達はありえないです。既に私達は食べてしまったんですから」



 宗麟は遠い目をして、部室の窓の外を眺める。薄々ツィタニアは宗麟が言わんとしている事を理解してしまった。



「もしかして宗麟……」

「そう、別の世界での俺たちは別のドーナッツを食べた世界、即ち異世界に行ったんじゃないか?」

「仮にそうだとしてもですよ? 私がいけないと意味ないじゃないですか!」



 今回の実験も半分失敗という事で宗麟はメモをした。

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