異世界に行く方法その4

「宗麟、カップ麺を待つ三分って結構長くありませんか?」

「世界一有意義な待ち時間と言われている」



 二人はカップ麺が出来上がるの待っている。その間に宗麟は紙に文字を書く。それをツィタニアは目ざとくみつけてこう言った。



「何を書いているんですか?」

「”飽きた”と」

「宗麟、いくらなんでもあまりにも不憫すぎますよ。オセロの相手でも致しましょうか?」



 可哀そうな者を見る目で宗麟を見るツィタニアに宗麟は唾を飛ばしながら叫ぶ。



「ちがーう!」

「つば、唾を飛ばすのをやめてください! 汚い。私のカップ麺に入ります!」



 宗麟は部室に布団を用意するとそこに枕を置く。そしてそこに指をさすのでツィタニアは身の危険を感じた。



「ちょっと宗麟。私は精霊王。精霊界でももっとも美しいと言われ神々にセクハラ発言をよくされたものですが」

「最悪だなお宅の世界の神々」

「まさか、宗麟も私の事をそのような目で見ていたなんて……」

「お前は馬鹿か! 俺は魔王には興味があっても無能な精霊王サマには一ミリも興味がわかんわ」

「も、もし私が魔王だったら?」

「召喚したその日に犯してるわ。そんな事たぁどーでもええねん! 今回は寝て起きたら異世界や! を実験するで」



 宗麟はタテとヨコが5cm程の紙に六芒星が書かれ、その中に”飽きた”と書いてある。それを見てツィタニアが真剣な顔をする。



「魔法陣でしょうか?」

「まぁ、そうなんやろうな! こいつを持って寝るねん。で起きた時にそれが無かったら、紙が消えたんやのーて、自分自身が異世界に迷い込んでるっちゅー話や!」



 今回ばかりは魔術じみていてツィタニアもやる気満々である。そしてカップ麺を食べてちょうど眠気も大きくなってきたツィタニアにその紙を持たせて布団にインさせる。



「じゃあ精霊王サマ、俺は家に帰るから、また明日! もう異世界に行っている事を期待したお別れだ! じゃあな、楽しかったぜ」



 去り行く宗麟の頬を光る物が見えた。ツィタニアは色々あったが、世話になった事を心の中でお礼し眠りについた。



「ツィタニア様、ツィタニア様!」



 目覚めるとそこは精霊界。あの方法でツィタニアは自分の世界に帰る事ができた。今思えばとても名残惜しい世界だった。



「特に食べ物が格段においしかったですね。ところで魔王は?」



 ツィタニアは魔王討伐中に宗麟に召喚された。その事が気がかりでならなかったが、精霊達は言う。



「魔王なんてワンパンチでやっつけてやりましたよ!」



 ツィタニアは思う。これダメなやつだ。この前、宗麟が買ってきた週間漫画に載ってたやつだと。頬っぺたをつねるが痛くない。

 本当に目が覚めた時、そこには牛乳を飲む宗麟。



「あっ、精霊王サマおはよーゴザイマス」

「おはようございます宗麟。私にも牛乳を頂けますか?」

「どうぞ」



 そう言って受け取る瞬間、ツィタニアの手から”飽きた”と書かれた紙が落ちる。それにツィタニアはあーやっぱりなと笑うのだが、宗麟だけが固まっていた。



「どうしました宗麟」

「いやね。この紙さ、俺が持って帰ってしまっててん。で、なんで同じもんがあるんかなーって」



 二人は妙な恐怖を感じ、その紙を二枚ともシュレッダーにかけた。



「宗麟、次行きましょう次!」

「せやな! 次いこう次」



 怖い事が起きたので失敗という事にした。

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