異世界に行く方法その3

「宗麟、そもそも異世界に行く方法が大抵死ぬというのが理解できません! おかしいです。死んだらさすがに終わりでしょう」

「いや、だからさ。そう言うご都合主義やろ。死ぬ運命になかったとか、転生するところで新しい世界で魔王倒してくれーとやん?」



 それにツィタニアは反論する。



「死んだ時点で死ぬ運命になかったとかありえません! それにわざわざ別世界にバンピーを転生させてチート持たせる意味ってなんですか? その世界で清く正しく生きている人にチート与えればいいじゃないですかっ!」



 二人が部室で鑑賞しているのか各種異世界転生系のラノベがアニメ化した物をマラソンで視聴している。



「その心は?」

「いえ、これらのアニメーションとやらは非情に、嫌いではありません。実に単調な走り出しと見せかけておいて、各種ギミックやキャラクターの深い造形に愛すら感じます」



 宗麟はうんうんと頷くいてから次に取り出したのは『本当にあった呪いのSNSシリーズ』。それも尋常じゃない数のDVDを用意した。



「よっしゃ、次はこれ行くでぇ! 学校には合宿申請だしとるから全部見る勢いやど!」



 二人の前には各種栄養ドリンクやエナジードリンクが置かれている。不眠不休でDVD鑑賞中。実は彼らは遊んでいるのではない。

 二人は限界までDVDを見る事で体力を疲弊させ、限界を超える。



「しかし、ツイッターで募集したのって限界を超えるシリーズか、どうにかして殺しに来るシリーズだらけやの!」



 徹夜テンションでそう言う宗麟に、目の前の動画を見ながらツィタニアがこう言った。



「この世界のテクノロジーを知らない私でも分かりますが、これらはどう考えても作った物じゃないんですか? だって5作品目で行方不明になった人が、12作品目でスタッフとして登場してますよ!」

「それな。それは言わぬが仏や、しかしカフェインって確か致死量あったよな。これ結構ヤバい量飲んどらへんか?」



 先ほどからツィタニアは栄養ドリンクやエナジードリンクの味が気に入ったのか次々に開けてはそれを飲む。



「いやぁ、宗麟! これはなんだか気持ちよくなってきましたよぅ! なんでいつも不自然にカメラが下向いたり別視点になって元の正位置に戻った時にそこにいた人が消えるんですかぁ~? やらせですかぁ~」

「まぁ、これ作るの簡単な上にようYOUTUBEとかで再生されるからコストに対して稼げるっちゅー話がな……いや、精霊王サマ大丈夫かいな?」



 そのままツィタニアはぶっ倒れた。もしかしたら異世界に行けたかなと思ったけど、十分以上動かないツィタニアを見て宗麟はスマホを取り出した。



「もしもし、救急車ですか? えぇ、異世界に行く為の実験中に、いえ! 悪戯電話ではありません」



 この後、滅茶苦茶医者に怒られた。

 哲也の限界突破で異世界突入は失敗。

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