(3)
でも――あ、あれ!?
「ユウトさん、あの人たち、味方です!」
リナが指をさして言った。
「ロードラントの紋章が見えます!」
リナの指摘の通りだった。
騎士たちが身に付けている武器防具は、見なれたロードラント王国の紋章が刻まれていたのだ。
騎士たちは僕たちの手前で馬を止め、跳ね橋の上のグリモ男爵に向かって叫んだ。
「グリモ様! ご命令通り
「あら、ごくろうさま! 夜も遅いのに悪かったわね。ゆっくり休んで頂戴!」
そのやり取りから推測するに、彼らはどうやら城に詰めている騎士たちらしい。
ん? これはいったいどういうことだ。
と、不可解に思っていると――
マティアスが全身に怒りをみなぎらせながら、むくりと立ち上がった。
「グ―リーモー!! 貴様っ! さては初めから全部知っていたな! 許さん! 許さんぞ!!」
「キャー!」
男爵が悲鳴を上げる。
「コワい、コワいわ! マティアスちゃん許して! 冗談よ。これは冗談なのよ!」
しかしマティアスは、跳ね橋が降りるやいなや男爵に躍りかかったのだった。
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