第318話 とっとことことことー!

 可愛いんである(結論からいう)。

 手触りがふわふわと、ほわほわとしていてたまらないんである。

 彼女が振り向きざまにほっぺちゅーしてあげるのも、たまらないんである。


 さて、今日はなんだかぐうたらぎみのわたくしは、彼女に餌をあげるのを(というよりか時間を)忘れて寝入っていた。

 そしたら、彼女は自分のベッドに入ってくつろいでいてくれた。

 せかすこともせずに待っていてくれたんである。


 愛おし―――――!!!!!(絶叫)


 お遊びタイムも、お誘いが熱心でね。

 トンネルからがばーっと飛び出してきて、いつもながらびっくりする。

 そして、わたくしがぼんやりしてるとさささっとどこかへ行ってしまうのに、「二階へ行こうかな~~」っと足をそちらへ向けると、とっとことことことー! っと後ろから駆けてきて追い抜いていく。


 そして追い抜いたところで、ぴたっと止まって様子を見ている。

 わたくしがぼんやりしてるとまた、ささあーっと遊びに行ってしまうのだが、「あっちへ行こうー」と足を向けると、とっとことことことー! っと背後から抜き去っていく。

 遊ぼ! 遊ぼ! っととっても熱心。

 可愛いんである!(結論)。


 玄関先でうろちょろしてるから、うん? と思って見ていると「んっ」と言ってぴょいぴょいステップを踏んで駆け回る。

 そして、今……母が家計簿を開くとその上に寝そべる……いつもの光景だが、おかしい。

 ああ、スコちゃん君はだれが一番好きなのさ? 飼い主は複雑である。


 みんなと仲良くできる精神はとても、大切だとは思うけれど。

 ミーは君を独り占めしたいのさぁ!(誰だ)

 今、テーブルに飾られた花の香りをかいでいたかと思うと、餌を食べに床に降りてく彼女……この日常を手放したくない! 息苦しいほどに、彼女を抱きしめたくてたまらない夜である。






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