第168話 2020/03/25/水 決意
今日は、預金を下ろして、チャオチュールを買いに行くぞ!
夕べ寝る前に決心したんだ。
スコちゃん1歳を待たずに、子猫のうちにおいしいものを食べさせてあげるんだと。
だってね? 人間の寿命ってわからないじゃない? 平均以下の人だっているわけだし。
私、長く生きられない気がすごくするんだ。
そうするとね、一緒にいる猫が割を食うわけで。
スコちゃん、おいしいものも食べられずに、早死にしちゃうかもしれないわけで。
そんなの嫌だから、「明日、お金をはたいて、猫餌を買う!」って、布団の中で延々考えていたのだった。
普段、ぼんやりしているように見えても、私は人生について悩んでいるのだ。
その悩みの半分くらいは猫といることで軽減している。
明るく考えられるようになるし、明日を信じられる。
きっと、明日もその次の日も、彼女と一緒だと、盲目的に信じることで、未来への希望を失わずにいるのだ。
しかし、コロナのおかげで、その日々も危うくなってきた。
後々しようと考えていたことは、今日にでもしないと、取り返しがつかない、そういう可能性について考えさせられたのだった。
もしも、スコちゃんが死んでしまったら。
なにかのおぼしめしで、スコちゃんが私の前で逝ってしまうことで、なにかを伝えようとしてくれるというのならば、そんな役目は降りていい。
私は死んでもいいから、あなたは長生きしてください。
長生き、してみなければわからない、だけど、長生きすれば、きっといいことが、幸せがあるから。
そこまで考えて、私は長生きできなかった時のために手を打とうと決意したのだった。
明日、幸せにするよ。
お金で買える幸せならば、明日にでも手に入る。
だから……。
私のそばにいておくれ、スコちゃん。
そう思っていたのだった。
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