第109話 2020/01/17/金 気は心。

 ここのところ、部屋の掃除が行き届いていなかった。

 スコちゃんが、トイレ砂をまき散らすので「なんだかなあ」と、トイレ周辺域だけ着目してた。

 ところが、私が漫画を読んだり、小説を読んでたりする間に、スコちゃんの生活環境は悪化していた。


 夜に行を行うものは道を踏み外す、と頭の中の先生が言っていたが、私は思い立ったが吉日なので、部屋の隅から隅まで箒ではいて、マイペットで床磨きした。

 このとき、わが姫、スコちゃんは立ち入りさせない。


 餌場の汚れ除けシートには、ちぎれた猫草や、食いちぎられた段ボールの破片や、私の髪の毛が絡んでいた。

 ああ、スコちゃん! どんな気持ちで、食事をしていたんだろう。



 後悔は止まらない。

 夜の9時過ぎに、キッチンを掃き掃除し、床に置いてあって埃まみれになっている新聞受けをゴミに出す。

 だって、壊れてたのよ。


 だけど、隅の方を掃き掃除していると、スコちゃんが、隙間の奥に入りこんで埃を散らすのだ。

 そして、きょーんっとした目で「手伝ってあげてるの」っていう顔をする。

 ひ、姫……。


 リビングはソファやこたつを出してしまったから、ひとりでは少し難しかったので床だけ掃いた。

 姫が行ったり来たりする階段も、廊下も、玄関も油断できない。


 一通り掃いたら、花瓶の花を(枯れてる)片付けて、額縁に入った押し花の絵を、マイクロ雑巾で磨いて、わけのわからない、ネジやら画びょうやらを捨てた。

 これでスコちゃんが、気持ちよく過ごしてくれるだろう。


 そう思ったのは甘かった。

 猫はそもそも、模様替えがキライだ。

 掃除すると、部屋の隅から隅までぴゃーっと駆けまわって落ち着かない。


 でも、お迎えした時は、雑菌も知らない子猫だったのだから、この環境に慣れてもらいたいので、お掃除頑張る。

 まあ、まさか11時PMまでかかるとは思わなかったけれど。


 部屋をきれいにすると、肌もきれいになることだし、スコちゃんの毛並みももっともっときれいになるだろう。






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