第74話 ペロンチョ、ペロンチョ!
神様が「これを買いなさい」と仰せられたので、猫じゃらしを買っておいた。
それが今日役に立ち、とてもうれしい。
スコちゃんはキッチンのテーブルにのっても、祖母に叱られなくなった。
祖母に猫じゃらしをわたしたから。
いざとなったら、それで気をそらしてやってと頼み込んだ。
祖母も笑顔で承知してくれた。
これでスコちゃんが「こっ! こっ!」とか手の甲で押しやられたりせずに済む!
ああ、これぞ神の知恵。
いたらぬ飼い主に啓示をお与えくださったのね! うれしい。
それで、神様にお礼とお祈りをしたのだけれど、なぜかスコちゃんが私の顔をペロンチョ、ペロンチョしてくれる。
正直まぶたは痛い。
猫の舌って、ざりざりしてますでしょー?
ロイヤルカナンの子猫成長後期のフードを手に入れて、浮かれていた私は、てっきり、スコちゃんが喜んでくれてるんだと思って、
「ありがたきしあわせ……でも痛い」
とか、口にしていました。
ところが、後でテーブルの上を見たら、神様へのお供え物のお塩を置き忘れていた。
スコちゃんは、もう少し落ち着けと言ってくれていたのかもしれない。
それなのに私は、しょっちゅうスコちゃんの頭を強くなでなでするので、彼女痛かったのかもしれない、それで仕返しをされたのかとも思ったし、祖母に話した。
なんのことはない。
あれは、ドジな飼い主に対するツッコミだ。
今日、頑張ったのになー。
夕べクモをくちゃくちゃ、ペッてしたスコちゃんのペロンチョも甘んじて受けていたけど、自分に対する嫌悪で吐き気がした。
でも、今、スコちゃんが私の隣で顔を洗ってリラックスしてくれているからいいのさ~~。
るん。
これから本を読んで寝るんだー。
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