第17話 寂しそうなスコちゃんにキュン!
今日、母に頼んで、スコちゃんを日当たりのいいリビングに入れさせてもらえるようにした。
なぜって、日に当たらないと、子猫も丈夫に育たないのだって。
ビタミン……Dとかが、生成されないとかで。
だから、めいっぱい暴れさせて、元気になってもらおうとした。
うん、それはよかったの。
だから、それは別としてなんだけれど……。
たった今、スコちゃんと触れ合ってわかったんだけれど、彼女は家庭内権力者に弱いみたい。
母の足音を聞くと、部屋の隅っこへ行ってしまう。
ここは安全なのだと、気づかない。
今晩は、PCを打ってるときに、スコちゃんがリビングに入りこんでしまったらしくて、母が扉越しに私に言うんだ。
「猫ちゃんが行方不明よ」
と。
えっ――!?
それは違うんじゃない? ぜったい家の中にいるはずだよ。
と、思ってPCを続けていた。
そして……プロットがどうのとエッセイに書いた後でためしにリビングへ行った。
ドアを開けたら、スコちゃんがすすーっと出てきた。
やっぱり!
と、言うよりも、母がリビングの扉を閉めて、閉じ込めてしまった形になる。
私、開けておいてくれたら、勝手に戻るからと言ったのに。
これは母の過失です。
だけど。
それからスコちゃんの調子がおかしくて。
なんだかしょんぼりしているの。
部屋の角っこへ行って、私が指を差しだし、何度も彼女は餌場やベッドへ行くんだけれど、私がPCに夢中になっていると、また隅っこへ行ってしまう。
もう!
彼女はもしかすると、めんどうくさい子なのだろうか?
指を差しだして心の中で「LOVE。LOVE。……」と念じていると、のどをゴロゴロ言わせ、また出てきた。
さっきなんて、私の背中で毛づくろいしてたのに、どうしてそんなにムラッ気があるの?
私、至福! とか思ってたのに……。
スコちゃんの定位置にプロットの紙を放置しておいたのがまずかったかな。
書類棚にしまったけれど、戻ってきてくれるかな。
また、背中を踏んでくれるかな――;;
あ、エサに水をかけておいたのを、食べてくれてるみたい。
よかった。
また、仲よくしようよね!
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