07.第六層に行こう!
その後、第二層も軽く周って遺跡観光を終了。なかなか面白かったよ。地球の技術レベルを軽く凌駕していて古代文明侮り難してな感じであった。
遺跡周辺はキャンプサイトがあるのでそちらに移動しながら夕飯の買い出し。たまには外でバーベキューも良いだろうと鹿肉や仔羊肉と野菜などを買っていく。
キャンプサイトでバーベキューの準備をして、炭火で肉を焼き始める。薪でもいいけれど薪だと薪を投入するのが忙しくて一人バーベキューだとちょっと大変なんだよね。炭だと一度点火してしまえば熾火でじっくり焼けるのでやりやすい。
ナツとバーベキューを堪能した後はワインを楽しむ。このワインは異世界産の白ワインでとある果実で作られている。自分好みの辛口でうっかり呑み過ぎてしまいそうになる。美味しいけれど所謂危険な酒だ。
焚き火の炎をワイン越しに眺めるとなんとも乙な感じがする。ナツは膝の上で既に寝ている。昼間に興奮して疲れたのであろう。こんなふうに一日を振り返るのもいいもんだ。
ほろ酔い加減で一人酒は終了して焚き火の後始末をしてから寝床に入るのであった。
翌日、朝市で仕入れをしてから商工会議所へ向かう。屋台の申請をしながら遺跡のことを色々と話していたら遺跡内でも屋台は出せるそうだ。ただし遺跡の第五層までは民間委託でテーマパークとして運営している都合上、運営会社に対して売上の一割が出店料となるそうだ。第六層以降はかからないのだけれど、一般客はいないのであまり商売にならないだとか。
今の第六層以降の状況を聞くと三チームが最深部アタック中だそうだ。瞬間移動みたいな便利なものはないので基本的にはキャラバンを組んでベースキャンプを作りながら最深部に潜るので大人数になるそうだ。
受付の人にお礼を言うと早速、遺跡に向かう。
遺跡の入り口で入場券を買うわけだが第六層以降に行く人は二日券で良いそうだ。二日券を第五層スタッフに見せるとスタンプを押してくれるのでそれが第六層以降のチケットになるそうだ。スタンプを押すのは通常の二日券の客と区別するためだそうだ。
テーマパークがある第五層までは順調に通り過ぎ第五層ボスでスタンプを押してもらい第六層へと踏み込む。
ちなみに第五層ボスマスには売店があって外とは二倍の値段であった……。ベースキャンプ相手に商魂たくましいね。
さて、あまり商売にならないのに何故遺跡に潜るのか?やっぱり遺跡に来たからには行けるところまで行ってみたいしね。
第六層に踏み込んでみたが誰もいない。キャラバンがいたらそれに付いて行こうかと思ったけれど当てが外れた。そのままうっかり真ん中まで進んでしまった時に、前方に光の粒子が集まると怪獣が現れた。
一見すると亀の怪獣ですかね?牙が生えていたりちょっと怖い。おまけに二足歩行しているよ。
亀怪獣が咆哮すると空気が振動して衝撃波が生まれる。ウニキャンに叩き込まれるがウニキャンの防御結界に跳ね飛ばされて相殺されてキャンセルされる。
いや、びっくりしたねー。
ウニキャンに対して亀怪獣は何やら力を溜めると青白い火炎を吐いてくる。これもウニキャンが反射してそのまま亀怪獣にお返して大爆発!亀怪獣はバッタリと倒れると光の粒子となって消えていった……。
「倒しちゃった……?」
「わう?」
俺とナツはなんとなくお互い顔を見合わせて納得出来ないような気がしながら先に進む事にした。
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