第7話 ファッションヤンキー木刀作りを頼みに行く
という訳でお夕食。お父さん帰ってたのね、お帰りなさい。
「何、届いたのはゲームだったの?あんた、ちゃんと宿題やるんでしょうね?」
「やるよ。やらなかったら没収するじゃろ?」
「へぇ、遥ゲーム当選したのか?Another fantastic worldだろ?俺の同僚も手に入れたやつがいてさ。有給休暇フルに使ってやるんだって。」
「え、それいいん?お父さん。」
「許可は出たからいいんじゃないか?同僚は必死に仕事片づけてたよ。」
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夕食食べて戻ってきました、オウカです。やっぱり煮つけは美味しかった。
外を歩く人の数が多くなってきたなぁ、やっぱり夜の方がログイン人数多くなるんだろうね。その分チラ見で私を見てビビる人が増えた気もするぞ!やったね!
さて、当初の目的通り、まずは冒険ギルドに行って依頼の報酬を受け取ろう。あ、道中のドロップ品も換金できるか聞いてみないと。
冒険ギルドに着いたわけだけど……夕方とは比較にならない人の多さだね。と言っても今の時間は依頼掲示板の方に人が密集しているね。達成報告受付の方は少し列ができているレベルだ。
ねぇ前のお姉さん、私が後ろに立ったらビクッとしたけどどうしたの?ねぇ、ちょっガタガタ震えてない?風邪ならゲーム止めなよ?
とまぁ、そんなことを考えている間に私の番が来ました。
「おう、報告してもええ?」
「ッ!えぇ構いませんよ。」
受付のお兄さんは少し肩を震わせただけですぐに気を取り直し、しっかりと私の目を見て受けごたえしてくれる。まぁ冒険者なんて私より強面いるんだろうし一々ビビっちゃ働いていけないよね。
あーはいはい、ゴブリンとグレイウルフ討伐してきました。あの、これって再度受けたりは……出来ませんよね1回限りって書いてますもんね。合計2000Gありがとうございまーす。
「ところで、ここって素材の買取とかやっとるん?」
「やってますけど、相場以上は出ませんよ?」
「と言うことは専門の店に行けば相場よりももらえるんか?」
「絶対にとは言えませんが。」
なんて聞いてみたものの私にNPCのお店で買い取ってくれそうな所は知らないしプレイヤーはパックンさんくらいだし、ここで買い取りしてもらってもいいだろう。結構な量を売りさばいたので、750Gになりました。これでパックンさんの要求した3000Gには到達したね!
私は受付のお兄さんに礼を述べると軽い足取りで冒険ギルドを飛び出てパックンさんがいる噴水公園へと向かった。
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「おらんっ!」
いませんでした。
結構うろうろして露店出している人の顔確認したんだけど、パックンさんいませんでした。あ、そもそもログインしているか確認してなかった。フレンドメニューを見て……おっログインしているね。
ということはどこかに行ってるんだね。メッセージ……送って大丈夫かな。忙しかったら迷惑かな?
数分悩んだ結果、ひたすら丁寧な文章で送りました。そしたらすぐに返信来ました。生産ギルドにいるよって。あ、ご丁寧に道案内まで……ありがてぇ
パックンさんの道案内通り進んだら、ありました生産ギルド。冒険ギルドに比べたら少し小さいかな?
扉を気持ち勢いよくあける。いや、扉壊すほどの力は入れてないよ。音が響くくらいの力加減だよ。そんで私の出した音で結構にぎわってた鍛冶ギルド内が一瞬静かになり、私に視線が集まる。いや分かるよ?私も多分同じ立場だったらそうなる。
突き刺さる視線は置いておいて。パックンさんはどこかなーっと、お、いた。パックンさんの方もこっちに気付いて来てくれた。
「よぉ。」
「よぉ、じゃないよ!何やってんのアンタ!」
「え、舐められないように。ここってあれじゃろ?初見さんに厳しいとかそんな感じ」
「無いわよ!ったくメッセージは馬鹿丁寧なのに何でそんな粗野な……」
「そういうRPじゃし。」
「あ、やっぱRPなのね。でもあなたそれでいいの?今のもそうだし悪目立ちするわよ?ただでさえ目怖いわよ?」
「直球じゃのう!いいんよ、これで。」
「あなたがいいなら私からは何も言わないでおくわ。で?木刀の素材持ってきたのよね?あと金。」
金って……幼女っぽい見た目と違って本当ズバズバ言いますね、パックンさん。いや、大切なことですけども。
とりあえず、私はインベントリからトレントの木材を取り出し、パックンさんに差し出す。……ちょっと屈まなきゃパックンさんに渡しづらいな。
「へぇ、トレントの木材。また珍しい物持ってきたわね。」
「え?もしかしてレアドロップなんか?」
だとしたら私滅茶苦茶幸運なのでは!?
「いや、ワンズフォレストでトレントが出るってのが珍しいってだけ。木材自体は割とドロップするわ。」
「そっちかい!……で?それで木刀は出来るん?」
「最初に言ったけど作ったことないけど、やってみるわ。あぁ、お金は完成したらでいいわよ。」
そう言うとパックンさんはトレントの木材を肩に担ぎ、作業場へと入っていった。
私は……そこら辺の椅子にでも座って待ってよ。
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