別訳日本神話 ~忘れられた邪神の物語~

作者 浅田 千恋

27

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★★★ Excellent!!!

天叢雲剣と八岐大蛇と潮干玉、潮満玉を自分の作品に出しているのですが、切り口が独特で自分には無いものを感じました。参考にさせていただきます。
ニギギノミコトの天孫降臨関係でしたらウガヤ王朝についてまとめたサイト等見ると更に創作に役立てると思います。
昔と現在の三種の神器の記載に興味を引かれるかと。
これからも楽しみにしております。

★★★ Excellent!!!

空前に面白い――。

レビューのひとことめとして、この言葉を綴りたいです。
この作品にはドラマが描かれているから。設定だけじゃないから。主人公の大学講師ヤマトと、日本神話の世界で生きる神々。運命的な邂逅がもたらすドラマは、詠む人の心を惹きつけてやみません。絶対に引きこまれる。断言してもいい。人も神も『生きて』いるんだって実感することができる。もちろん、あなたも。

「設定だけ」と書いてしまいましたが、その設定からしてお見事。日本神話をテーマにするというのは非常にハードルが高い。まず資料分析やキャラクター設定が難しいですし、信仰や宗教に絡む題材でもある。加えて読者がすんなりと作中世界に入ってくれるかどうかの心配もモヤモヤ。だけど、どうか入ってみてください。入念に、そして丁寧に、読者の喜びだけをその一心に宿して描かれた日本神話の世界。読みやすさには太鼓判を押します。読者が「ん……今のってなんだっけ?」と思ったところ……そう、かゆいところを主人公のヤマトが独白で復唱してくれるのです! だから読みやすい。物語の構造と進むべき道を理解しながら、めくるめくドラマの群れへと沈んでいくことができます。だから設定をこころゆくまで味わうことができる。実際、わたしは本作を読んで日本神話にめちゃくちゃ興味をもちました。読後は本を探したり、ネット検索で神様のことを調べてしまうこと請け合い。知識欲を心地よく撫でてもらえる、という点でも本作はすばらしいのです。

本作は天孫降臨と呼ばれる大戦における、天津神と国津神、そして龍の一族(アーンド、みんな大好きミシャグジさま!)をモチーフにしています。とてつもなくヤバい世界です。神同士の一大決戦ですからね。だけど主人公のヤマトは自らの研究内容をたよりにして、現実世界に存在する道具を使いながら『あるべき答え』を探し求めます。この行動にはしびれますよ。受け身の主… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

伊勢界である。

主人公ヤマトは、志摩神宮(伊勢神宮がモチーフと思われる。だから異世界ではなく伊勢界だと私は思った)の林を歩いていると、異世界に迷い込んでしまい、そこから日本神話に出てくる神々の戦いに巻き込まれていく、というのがこの作品のスタート。

私が震えあがったのは、この作者の構成力。
エピタイを見て貰えば一目瞭然だが、主人公は伊勢界と現代を行ったり来たりしている。その為、時間軸がずれたり、キャラクターに変化が有ったり、伊勢界で起きた事象が現代になんらかの影響を与えたりと、とにかく物語が動く動く。

その激動の中でも一本の筋を追いやすくするため、一人称で進んでいく親切設計。これで読者がストーリーラインを追えなくなったり感情移入できなくなったりすることは無くなるが、それが続けば当然ダレる。しかし、それを意図的にずらしてくるなどして(物語中盤、ここで戦慄した)、とにかく読者を飽きさせない。というか休ませてくれない。そういう工夫がされている。
そしてその工夫がそのままミステリーの牽引要素になるだけでなく、何本もの伏線を張り巡らせることになる。

序盤、物語が進むと同時に散りばめられた伏線。それが終盤、物語の進行とともに、どんどんと回収されていく。

「これはこういうことだったのか!」
「ああ、このシーンは!」
「だからこんなふうな!」

得心、感動、戦慄が次々に胸に去来する。

圧倒的スケールを見事収束させた作者に最大の敬意を!
完璧なまでのカタルシスを全身に浴びせるこの作品に最高の感謝を!

あ、アルタさんが超絶可愛いんですけど、個人的には真琴さんが素敵だなって思います。一日中お話していたい。それに神々もカッコイイですし、主人公ヤマトさんもやっぱりカッコイイです。
という感じに、キャラクターも大変魅力的なので、そう言ったところにも注目して頂ければ嬉しいです。

あーっと… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

しっかりとした設定の上に構築されている神話が題材の作品。

長めのカタカナや読み慣れない漢字の名前の人物が頻繁に登場し、最初は多少戸惑うかもしれないが、それも読み進めていくうちに可愛いアルタや物分かりのいいミナク、そしてミシャクジ様といった個性豊かなキャラクターたちに魅了されていくだろう。

土着信仰の神がいかにして信仰され、またいかにして廃れ邪神となったのか。ファンタジー的な側面ではない角度から神話を紐解く本格的な内容になっている。

王道系のファンタジーに食傷気味な読者にオススメしたい、足場のしっかりした作品。


★★★ Excellent!!!

神話時代の日本が舞台という作品で、登場人物や地名もルビが無いと読めないような長い漢字の名前が多いですが、逆にそれがこの作品の世界観を引き立てておりかっこいい作品です。

小難しい話はほとんど無く、文章や会話のテンポも良くてサクサク読み進められます。