第306話 カリンお目覚めパーティ
〜パーティ〜
「え〜...、エルシーとヤヨイにも集まってもらい、計5名で行います、進行は俺ローシュが取り行わせて頂きますが異論はないですね?」
不慣れな司会をやっているお兄ちゃんはとっても面白いです。
普段から司会などやった事がないのが丸わかりでした。
(お兄ちゃん頑張れ!!)
心の中で応援をしながら彼を見ていると、エルシーさんが笑みを浮かべながらサポートしてくれています。
「あんたこういうのは苦手なんじゃないの?」
「...、得意か苦手かで言われれば苦手だな...」
「私がやってやるから座ってろって!」
「いや、だがしかしエルシーに任せると悪い気が...」
そう呟く彼に対し、彼女はこう言いました。
「今の私はあんたの彼女なんだぜ、彼氏のあんたが困ってる時は助けるのが恋人ってもんだろ?」
恥ずかしげもなく彼女と言う単語を使う彼女には憧れてしまう私。
(私絶対に家族の前で男の子の事を彼氏って言えないわ...)
そう思っていると、隣に座っていたヤヨイちゃんがクスクスと笑っていました。
なんで笑っているのか聞いてみると、意外な答えが返ってきたのです。
「なんで笑っているの?」
「嫌だってお姉ちゃんがね、今はとってもハキハキした物言いでローシュさんを支えているのに、この家に入る前は「もしも自分が司会になったらどうしよう!!」って顔を真っ赤にしてなかなかは入れなかった姿を見ているとつい...ね...」
「へぇ...、エルシーさんでもそんな事を言うんだ...」
小声でヤヨイちゃんと話した後、兄と何やら言い合っている彼女の姿を見てやっぱりそれはないんじゃないかな〜?と思ってしまうのでした。
「じゃあ任せた」
「えっ?」
サッとマイクを渡して座ってしまう兄を見て爆笑が止まりませんw。
(ええ〜!?、座っちゃうの〜w)
そしてすぐ様取り残されたエルシーさんを見てみると...、ガチガチに緊張しているのが素人目でもわかってしまうほど震えていました。
「え〜...、本日はお日柄もよく...」
「雨降ってるけどな」
「うるさい!!」
ポカポカと兄の頭を叩く彼女の姿に、私はとっても癒されます。
(なんか居心地いいな...)
そう思いながらパーティは夜遅くまで続いたのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます