第200話 この遊び...、面白かった!
私とパニラはしばらくの間この遊びに夢中になっていました。
シンプルなだけに誰とでも遊べるこの遊びは、元の世界で暇な時に良く友達としていた遊びの一つです。
30分くらいすると流石に疲れたのでお互いに背筋を伸ばしながら笑いあっていました。
「あ〜面白かった〜...、ところであの遊びってどこで知ったの?」
不意にこんな事を聞かれたので答えに困ります。
「えっと...、自分で思いついたんだ!」
ここは口からでまかせを言っておきます。
まさか異世界の遊びだよっ!、なんて言えるわけないよね!。
「ふ〜ん...、カリンちゃんは凄いんだね!」
「えっ!?」
「だってこんな面白い遊びを発案しちゃうんだよ!、これって凄い事だと思う!」
目を輝かせながら私を見てくるので悪い気はしないが、これって別に私が考えた遊びではないんだよね...。
なんか嘘をついているような申し訳ない気分になりつつも家の中に戻りました。
すると、不意になぜわざわざこんな移動の仕方をするのか気になったので彼女に質問をします。
「そう言えば...、パニラ、なんで私達は何でこんな移動の仕方をしているの?、どこかに向かうだけなら天馬に乗せて貰った方が早いよね?」
私の質問に対し、彼女は笑って答えてくれました。
「カリンちゃん、それじゃあクティル王国の力を証明できないじゃない、クティル王国祭はクティル王国の力が衰えていない事を示す為の行事でもあるんだよ!」
思ったよりもちゃんと説明してくれたので、すんなり理解できた。
きっと、こんな馬鹿でかい家を自由に空に浮かすことができるというのは、魔法が存在する世界と言えども難しい事なのでしょう。
「へぇ〜...、そういう事なんだ〜」
「早くカリンちゃんの記憶が戻ると良いね!」
「へっ...、ああ...まあ...そうだね!」
「カリンちゃん?」
一瞬返答に困ったのは、“カリンの記憶が戻る”という単語に過剰に反応してしまったからです。
本物のカリンの記憶は私の中に何一つとして残っていませんから、私が上手いこと“カリン”をやっていられているのかという不安はやっぱりありました。
でもまあ、本物のカリンの性格なんて私が分かる筈もない為、取り敢えず良い子ちゃんはこれからも演じておこうと思います。
私自身どちらかと言えば真面目な部類の人間だと思っているので、多少はカリンちゃんも安心だよね?。
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