第28話 芽生え

 夜。


 夕ご飯も食べ終え、お風呂にも入り、清子は一人自分の部屋のベッドの上にいた。


 清子のベッドは天蓋付きのキングサイズのベッドである。


 そんな大きなベッドの上で清子はニヤニヤしていた。


「三人で撮ったプリクラ。私の一生の宝物です」


 白い透け透けのベビードールを着ながらプリクラを眺め、悶えていた。


 初めて友達とゲームセンターに行き撮ったプリクラ。


 自分のクラスにも友達はいるが、やはりお嬢様ということで少し距離をおかれていた。


 だから放課後、こうして遊ぶのは意外にも初めてだった。


「ヤバイです。ニヤニヤが止まりません」


 ベッドの上をゴロゴロしながらプリクラを眺め、一度落ち着いてからベッドに座りなおす。


「確かいまどきのトレンドはスマホのカバーの後ろに貼るんですよね」


 清子は大事なプリクラの写真を一枚、はがしてスマホのカバーケースの後ろ側に貼る。


 ちなみに貼ったプリクラは最後に撮った翼に抱きついたプリクラである。


 あの時なぜ翼に抱きついたのか分からない。


 でも今思い出すと我ながらずいぶん恥ずかしいことをしたと思う。


 寧々もノッてやってくれたから良かったものの、一人だったらきっと二人に笑われていたかもしれない。


 それぐらい、あの時の清子はおかしなテンションだった。


「でも翼さんの腕、大きかったな」


 清子は翼の腕の感触を思い出すと急に恥ずかしくなり、頬を赤く染める。

 一人興奮しながらプリクラを眺めているといつの間にか深夜になっており、急いでベッドの中に入る清子だった。




 一方の寧々も清子の同じように興奮し、プリクラを見て悶絶し、なかなか寝付けなかったせいで次の朝寝不足だった。

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