第42話 親友の客②

「お~い、起きろ~。こんなとこで寝たら風邪引くぞ」


「ん~~」


目を開けようとして瞼が震えてるがまた閉じる。


「目を開けろって」


「眠い~~」


腕を抱えて歩いたが自分で歩こうとしない。


「ほら、歩くぞ、自分で歩けって」


抱えるようにして連れて行こうとしたら、洋服がまくれ上がりおなか、背中、胸など肌がが露出して、下着が丸見えになる。


「おっと、やばい!服が・・・」


持ち上げるように持っているのでもろに俺の手が胸に触れてしまう。


「あーん、気持ちいい~~」


「気持ちいいじゃねえよ~全く」


(意外に胸がでかい)


「早く歩けよ〜人が来ちゃうよ」


俺は、もうお構いなしにずるずる引きずって、やっと玄関までたどり着く。


「鍵は?」


「この中」


そう言ってバックを俺に投げつける。


「俺が出すの?」


(乱暴なやつだなぁ)


「真樹~~」


「俺は、真樹じゃないって!」


真樹と間違えてしがみついてくる。

鍵を開けて玄関に入る。


「ここでいいよね?もう帰るよ。一人で大丈夫?」


「お水!水が飲みたーい」


「はあ?水?俺が?」


「そう、水、水、みずぅ〜」


「もう~勘弁してくれよ~部屋に上がらせてもらうよ」


キッチンに行き、コップに水を入れて持っていく。


「おいおい!何やってるんだよー!ちょっと待て、待てー!」


キッチンから戻ると衣服、下着、すべてを脱いで裸になっている。


「何やってんの?」


「あはは」


「あははじゃない!脱ぐなって」


「真樹~~」


「真樹じゃない!遼だって。マジで頼むよ」


素っ裸で俺に抱きつきキスをしてくる。


「待てって」


俺は、唇を払いのけたが、寄りかかられた勢いで一緒に倒れこんでしまう。


「いって~」


「いたくなあ~い。早くしようよ」


そのまま俺に覆いかぶさりキスをされて俺は拒む事ができない。


(真樹は、いつもこんな感じで相手しているのかな?大変だな)


そう思いながらも必死に抵抗する。


「触るな!やめろ!」


下半身を触ってくる。


俺の中で理性が戦っている。

執拗に求められ、裸体が目に飛び込み、下半身を触れまくっている。

男性自身が反応してしまう。


理性が吹っ飛ぶ。


(ええい!もうどうなってもいいや)


そのまま体を重ねてしまう。

事を終え放心状態でタバコをふかしている。


「ふぅ〜」


(あ~あ、真樹になんて言えばいいんだ)


「ごめんね、真樹には内緒にしとこうね」


「当然だよ。まいったな~」


(あれ?こいつ酔ってたんじゃなかったのか?)


「話さなきゃ大丈夫よ」


「だいたい、お前さ~どこから気付いてた?」


「え?何が?」


「何がじゃねえよ。あんなに泥酔してたのに、今は普通じゃん」


「う~ん・・・キスした時かなあ~あれ?って」


「あれ?っじゃねえよ。だったら、そこでやめろよ」


「だって我慢できなくなったんだもん」


「できなくなっただもんって・・・我慢しろよ」


「遼ちゃんだって・・・」


「俺のせいにするなって」


しかし、やってしまったのは事実。

経緯などそんな事は、どうでもよかった。


「お互い口が裂けても、言わないようにしよう」


「オッケー♪」


「オッケーじゃないよ。全く」


やってはいけない事をしてしまい、その後仕事をしていても無意識に真樹を避けている。


(まいった。毎日、気が気でないよ)


二週間くらいたって俺は、赤坂に呼び出される。


「ちょっと、こっち来い」


険悪な顔つき。


(まさか!)


(やばい!もしかして・・・)



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