ギャル美のお部屋にお泊まり2
歩くギャル美に着いていくようにして、俺はみのりん工場を沿うようにして夜道を彼女と2人歩いていく。
「ちょっとあんた、女の子が重たい荷物持ってるんだから、気を利かせないよ!」
「ああ、ごめん」
俺はそう言われても特別慌てることなく、ギャル美が持っていたスーパーの買い物袋を受けとる。
「………」
「………」
「………………」
「………………」
交わした会話はそのやり取りだけで暇だったので、袋の中に入っていたスルメを開けて、それを食いながら歩いていた。
「ここよ。もう遅いんだから、騒がないでよね」
彼女の住む集合住宅に到着して、1階入り口のドアを開けるためにパネルを操作するギャル美はそう俺に警告する。
別に今歩いてくるまでに取り立てて会話もなかったのに、そんな気をつけることもないと思ったが、それは会話の道中の2人の静けさに、気まずさを感じていた彼女の感情の裏返しのようなものだと気がつき、俺は少し申し訳なく思った。
そんな感じでエレベーターを使って、彼女の部屋へと足を踏み入れたのだ。
「ここに座りなさい」
ギャル美の部屋。
結構イラストレーターとして稼いでいるみたいだし、いい車に乗っている通り、住んでいる部屋の広さもなかなかのもの。
俺と山吹さんの部屋を足しても叶わないかもしれない。
そして指定された場所に腰を下ろす。
10畳くらいは軽くあるリビングには、家電量販店で憧れるくらいの大きな4Kテレビ。
山吹さんのように女の子らしい雰囲気の部屋ではないが、きれいに片付けされていてあまり物も多くない。
それでも壁際の本棚には、意外に真面目そうな本やマンガが多く並べられている。
真面目そうな本はよく分からないが、マンガはなんだか少女マンガが多そうだ。
みのりんはああ言ったが、どうしてもギャルのイメージしかないので、そんな部屋の景色が意外で仕方なかった。
「はい。あんたもお腹すいていたら、少しくらいつまんでもいいわよ」
ギャル美は、上着を脱ぐと、スーパーの値引きされた焼き鳥の盛り合わせやお刺身。コロッケやメンチカツなどといったものもレンジで温め、テーブルに広げる。
「あたし、シャワー浴びてくるから、テレビでも見といて」
ギャル美は、干していたバスタオルを剥がすと、浴室の方へと向かっていく。
と、思ったら、脱衣所から顔を覗かせた。
「ねぎまと鶏皮はあたしんのだから食べないでよ!あと、お酒冷蔵庫で冷やしといて」
などと言い残し、浴室の扉が閉まる音がした。
俺は言われた通り、スーパーの袋に残っていた缶ビールやレモンやぶどうなどのチューハイを冷蔵庫へとしまう。
冷蔵庫には、キムチややわらかメンマなどのビンが入っていてとても美味しそうなので、ちょっとずつつまみ食いしてやった。
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