第38話 皮肉

「皮肉骨髄」から来ているが、肉まで達せば相当深い傷を負う。辛辣な嫌味に値する「うわべ」(皮相)は「皮」だけなのだ。皮肉なことにかの達磨は何年も修行したにも拘わらず手も足も出ない丸々太ったイメージが付きまとう。そういう人の説教は説得力をもたない。痩せたソクラテスは頂けないが、人を足蹴にして私腹を肥やし達磨に目を入れたがる「肥肉」は避けたい。尤も、一番の皮肉はふくよかな七福神が乗った「宝船」で、あやかろうとする人々が競って真似するが、その船には七人しか乗れない。

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