第58話 執筆状況のあれこれ(16)

 相変わらず多忙ではあるものの、ようやく精神的にも落ち着いてきて、そろそろ執筆に取り掛かりたいと思う今日この頃。


 しかしながら、気持ちは戻ってもネタがないのは相変わらず。四章のプロットを立てては消し、立てては消しの繰り返し。アイディア自体はいくつか出たのだけれど、自分の中でどれもピンとこない。


 今回、ローザリッタには真っ当な剣士と戦わせてあげたい。

 しかし、真っ当な剣士はだいたいイイモンであって、そういうキャラが相手ではそもそも命を賭けた闘争に発展することがない。


 命を賭けた戦い、殺し合いを展開するにはそれなりの大義が必要。正義VS悪の対立構造であれば実に簡単だが、正義VS正義では戦いに辿り着くまでの過程が複雑になり、おまけに後味が悪い結末になる。

(後味すっきりの殺し合いってなんだよ、という現実的な話は置いておくとして)


 通常の剣客ものであれば、名誉を賭けて真剣勝負をすることに違和感はない。

 何よりも名誉を重んじる時代。互いの腕と武名を賭け、命懸けで試合をするなどはある意味で王道だ。


 とにかく、人の命が軽いのが戦国時代。

 それはファンタジー世界でも同様だが、問題は、主人公であるローザリッタがあまり名誉にこだわっていないところ。


 彼女の目的はあくまで誰かを守るために自分の強さを高めることにある。

 なので、他流試合や真剣勝負はあくまで経験値を得るための手段に過ぎず、殺さずに競えるならばそれはそれで善しとする。相手からの強い希望があれば受ける覚悟はあるだろうが、自分から積極的に殺し合おうとはしない。と思う。


 ならばいっそ、誰も死なないようなコミカルな話にしてやろうか。

 ……いや、サイドストーリーならばともかく、一章から三章までの内容と温度差があり過ぎる。

 少女剣聖伝はその表題の通り、剣聖になったローザの半生を記した伝記のような位置づけにしたいと思っており、宮本武蔵でいえば吉岡一門との戦いとか、巌流島の決闘とか、各章ごとにそういう立ち位置のエピソードにしたいと考えているのだが、その一つにギャグ回を挟むことにちょっと抵抗があったりする。


 それに、今のところ一章を踏まえた二章、二章を踏まえた三章と、内容的にも繋がりが続いているので、やはり四章も独立した話ではなく三章を踏まえたものにすべきとの思いも強い。


 そういったあれこれを考えていると、頭から煙が噴き出そうになる。


 我ながら考えなしに話を展開させたものだ。

 ……みなさん、プロットをよく練ってから執筆しましょうね。

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