九話

やっぱり…



うちがいんとあかんなあ…


最期まで…

世話の焼ける人や…








わしも不覚やった。


いきなり姉さん変な事言うてなあ。


兄貴の方走って…




後ろの方の竜がな、口から火吹く所わかったんや。


もう我を忘れてる兄貴には気付けるはずもない…







あんたあ!


あんたはうちの最高の男やあ!


愛してるよ…







ドン…







兄貴を突き飛ばし…

姉さんは消えてもうた…

わしは不思議と涙は出んかった。


その代わり拳握り過ぎて、肉破れてもうたわ。

ほら、この跡みてみ。








あほやのう…

お前は…


わし守って…どうすんねん…



待っとれ…

すぐ行く…


道連れ…

ようけ連れてな。








もう切れない…

バキバキになった角竜剣を捨て…


わしに言った。








お前の剣…

冥土の土産にくれや…








い…いやです…

死んだらだめっすよ!…








何を泣きそうになっとんねん…お前…ははは…


ええから…

はよせぇ…



兄弟…

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