十話

なんで私達ばっか…







そう言って泣きながらあいつはな…


老山龍の腹の下に突っ込んでいったよ。



よほど効いたんだろう。


やっと老山龍は倒れた。



あいつはそれでもまだ…攻撃をやめなかったよ。






早く逃げろ!






倒れて行く龍の合間を縫い……まだそこにいる、あいつの手を掴んでな。


逃げたんだ……


でも…




途中であいつが俺の手から離れた。



倒れた老山龍の足がな…

あいつの腰から下に…

下によお……



早く逃げればいいのによ…






ねえ…ダーリン…








死にそうに話すから怒ったんだよ。


許さねえぞって…



そしたらよ…

涙一杯ためて…







ごめんなさい…


ゴボゴボゴボ…






血吐きながら言いやがんだよ…


引きずり出そうにも、デカイ爪が食い込んでな。



でもよ…

また涙ぼろぼろ出しながら俺に言うんだよ…







私ね?







うん…







ダーリン…ダーリン…






うん…






私の…ね?






わかってるぞ?






やったあ…ダーリン…

ゴボゴボ…





い…家の色はよ、白っぽい感じでな!

ファンゴの毛皮飾って…

それから……うう…







話を嬉しそうな顔をして聞きながら…


あいつは俺から…

いなくなった。

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