八話

あの人は…


ほとんど互角に戦ってたよ。




獅子は角が折られて、怒りを露にし……

黒毛から金毛に変化する。



ちょうどその時かな。


竜ってのはさ。

人間の匂いを、何人いようが瞬時に察知する。



やはり、あたしの存在にすぐに気付いてた。


そのまま……

獅子は殺す相手をあたしに変えた。








……泣いてんの?








気がつくとさ…


あの人があたしの盾になってた……



片方の角で背中から貫かれて…



それでも…

獅子の頭を押さえ込んでね…




白銀の雪がね…

真紅の血で染まるのは…

すぐだったよ。





あたしの…


あたしのせいなんだ…

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