第87話 ニオル村
ヒミコは、泡を吹いて気絶して居るクズ鬼を、張り倒して正気つかせ。
「お前等は、マンバ神様の世界には不要だ!!消滅されたく無くば、悔い改めよ!!悔い改め分を弁えたなら、森の隅っこで生きる事を許す!!残りのクズ鬼どもに伝え、即刻此処を立ち去れ!!!次に見掛けたなら、皆殺しにする!!!」
ヒミコの迫力に、クズ鬼は新に股間から湯気を立てて居る。
「マンバ様!行きましょう!!」
カッキリ5分で済ませ居った。
オロチ、チトセは大丈夫だと思うが、ドーリとアードはと見ると、ヒミコに拍手喝采して居った。
スラッピが蒼白に成って居るだけで、ホシは当然問題無しじゃ。
スッキリした所で、旧南砦に向かう。
廃墟だった南砦は、生真面目なニオルが住み着いたお陰で、様変わりして居った。
防壁内のスペースを上手に使い、豊かな果樹園に菜園場が整備されて居る。
井戸の関係か、中央に果樹園菜園場が有り、周りを取り囲む様に、50建余りの粗末な建物だが、住良さそうな村に成って居る。
わし達に気付いて、ニオルが大慌てでやって来て、土下座した。
「マンバ神様!!ご期待に添えず無様な事になり、申し訳御座いませんでした!!!」
「事情も知らず、お主を責めて済まなんだ!その後の行動、良くやった、細やかな気配り尽力に感謝する!!」
「滅相も御座いません!!」
「ホビットや鬼属、エルフ達を導いて、皆感謝して居ったぞ!其にこの村は見事じゃ!!行く宛の無い者達を良く纏めた!!!」
「村人達が不安そうに見て居る!!土下座は止めよ」
立ち上がったニオルは、村人達に。
「皆!!安心せよ!!!此方のお方は我が主、マンバ神様である!!!」
良く分からないが、危険が無いと知り、村人達は安堵の表情になった。
よく見ると、村人はアルビノの様な容姿に緑の瞳、なんとドリアード属の集団じゃった。
更に大人が皆無、子供のクーシ族20人程が居る。
村民の顔ぶれを見て、成る程行き場の無い人達じゃな、ニオルの責任感で救われて良かったが、ニオルを小村の村長で終らせるのは、人材の無駄遣いじゃ。
ドーリとアードを見て思い付いた、ドリアード属が植物育成しか出来ない種属では無い、20人程のクーシもニオルの教育が良かったのであろう、素直そうな子達じゃ。
最初の手始め。
「ニオル神術を授ける、屈んでくれ」
片膝を突くニオルの頭に手を置く。
何が起るのか、村民達が見て居る。
ニオルの身体が微かに輝く。
「これでニオルは、殆どの神術が使える」
「えっ?」
「ドーリ鎌鼬を撃て!」
「ニオル、ドーリの真似をして風を打ち出せ!!」
「で、出来た?」
「ドーリ竜巻を纏え!」
「ニオル、真似をして風を纏え!」
「は、はい!纏いました」
「纏った竜巻を上にあげよ」
「あっ!!と、飛べた!!!」
「ドリアード属の皆!!今、神術のお手本を見せたドーリは、皆と同じドリアードじゃ!!お前達も、わしの指導で訓練すれば、神術が使えるようになる」
「オロチ、チトセ、クミ達医療隊全員連れて来い」
「「はい!マンバ様、連れて来ます」」
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