令和3年6月17日から現在7月2日最新話である1068話まで、2週間かけて読破しました。なべて352万文字、ラノベにして35冊分に至ろうかという大長編でした。
本当に、一切の誇張なく、1068話352万文字ものこの物語、ただの一話として詰まらない、ここ不要だな、ダレてるなという部分が一回もありませんでした。
352万文字が構成する全ての物語が面白かったのです、読む手が止まらなかったのです。生きてきて、こんな事は初めてです。以下に素晴らしい作品でも、長編になれば「ちょっと読むのしんどいなー」となったり、「ちょっと休もうかな」と他に浮気したりするものですが。
ほかの一切の娯楽を断って(ここちょっと誇張)、只管に読み続けてしまいました。げに恐ろしきは作者さんの才能です。多分異邦人です作者さん。
最新話の1068話、いまだに面白さはひとっつも衰えていません。
最初の面白さ、テンションのままに突っ走られています。
冗談抜きで、異才、鬼才と呼ぶにふさわしい、とんでもない才能が現れたと畏怖の念を禁じ得ません。いや冗談ではないんです、本気で。
既に1,000話を超えていますが、それで読むのを躊躇している人がいるとしたら、なんてもったいない!!
面白過ぎてドンドン読めます。グイグイ読めます。逆に一気読みできて嬉しい悲鳴をあげられます。ハッキリ言ってこれ読まなかったら人生損するレベルですよ!!
こんなに素晴らしい作品を1,000話超えまで知らなかった自分を殴ってやりたい。ファティマさんに折檻されたい。
最新話まで読んでレビューするつもりでしたが、只今595話17章まで読了、我慢できずに布教活動する為に投稿します。因みにレビューしたくなった初めての作品です。
ちょっと長くなりましたが、反省はしてませんw
物語は、謎の寄生生物として異世界転生してしまった主人公が、転生先で見つけた謀殺された領主の青年に取り憑いた所から始まります。
彼はその体で異世界を気ままに旅しようとしますが、彼にとっては気まま(?)でも、周りにとってはそうでは無く災害レベルで殺戮されまくります。
「領主」で「謀殺」されてるところがミソですね。
色んな厄介事に巻き込まれます。御愁傷様です。(主に相手が)
タイトルに偽り無し、邪魔するやつは絶対殺すマンです。まぁ、彼にしてみれば降りかかる火の粉を払っているだけなんですが…
ありふれた勧善懲悪モノとは一線を画したダークヒーローの誕生です。魔王から世界を救うとかのテンプレはクソくらえです。安易なレベル上げやスキル獲得で俺Tueee …何それ?美味しいの?
おまけにテンプレヒロインやハーレム要素も無いので、そういう意味でのイライラもありません。
とにかく、世にあふれる異世界転生モノに対するアンチテーゼがこれでもかと詰め込まれてます。
(…と自分では思っています)
もっともっと人気が出てもいいのに!!と思うのですが、主人公の絶対殺すマンなキャラ造形や、序盤でのヒロインにあたる人物の空気読めない言動で、フルイにかけられる読者が多いのでしょうか… 勿体無いなぁ。
個人的には両者共に納得できるキャラ描写と設定だと思いますし、だからこそ物語に深みが生まれ、他の登場人物達との対比と成長とが描けているのだと思います。
やがて、そんな主人公にも旅の目的が生まれ、ヒロインにも物語での重要な配役が与えられます。
ヒロインが主人公と別れてからが物語の本番ですので、是非ともそこまでは読み進めて欲しいと思います。
また特筆すべきは、主人公サイドだけでなく敵対勢力や脇を固めるキャラクター達の掘り下げが素晴らしく、心理描写もしっかりしているので、群像劇としても読み応えがある点です。
主人公の殺伐とした性格と対比するかのように、人間味溢れるキャラクターが活き活きと世界に息づいています。…呆気なく殺されたりしますが。
(みんな、早く逃げてーーッ)
そして、それらを纏める文章力が素晴らしいです。とにかく読み易い。スッと頭に入ってきて、キャラも情景もすんなりと思い描くことができます。
緻密な設定も本当に素晴らしく、且つこの物語の邪魔になっていません。やたら設定を垂れ流して俺Tueeeならぬ、作者の俺Sugeeeな作品が溢れているなか、見事にこの世界を構築しています。
これって凄いことですよ。大抵の作品は文章をちょっと噛み砕いたり自分で補完しないとダメで、なんて言うか脳みそがいちいち引っ掛って気持ち良く読めませんから。
ネタバレになるのであまり書けませんが、ストーリー展開も先への伏線を上手く仕込んでいて、まるでドミノ倒しのように進んで行きます。
領地開拓要素もあり、また合間合間に挿入されるほのぼのとした閑話も良いアクセントになっています。
そして何より、強敵とのバトルが熱い!!まだ最新話までの半分ほどしか読めてませんが、もう何度見せ場があったことか!!
色んなバトルの引き出しがあって、まるでおもちゃ箱を引っくり返したかのようです。
いやー、本当に面白い。作者様は神ですか。
群像劇的な観点から、序盤~中盤の時系列に少しだけ違和感がありましたが、気になったのはそれぐらいで、物凄く完成度の高い作品だと思います。こんなにハマれる作品に出会えて作者様には感謝しかありません。
絶対殺すマンな主人公を「ローさん、脳筋過ぎィ…ww」と笑えるようになれば、もう立派な末期患者です。
既に脳に何かが、いや、この物語に寄生されてますね。実に良いことです。
今まで、かなりの数のなろう・カクヨム作品を読んできましたが、間違いなく最高に大好きな作品の一つになりました!!
世界の滅びとは何か、再び主人公とヒロインが出会う時一体どうなってしまうのか、主人公は旅の果てに何を得るのか…
長々と書いてしまいましたが、とにかくこの異世界転生の異端児、最っっ高のダーク(ヒーロー)・ファンタジーをハラハラドキドキ、たまにはクスッと笑いながら楽しんで欲しいのです!!!
現在1212話、そろそろクライマックスです。
この作品を読む為にカクヨムに登録し、今も毎日更新を心待ちに過ごしています。
この作品をまだ読んでいない全ての人が心の底から羨ましい。
この物語に、これから「初めまして」と出会えることが本当に本当に羨ましい。
それくらいの怪作です。
この作者様は天才というよりは鬼才、本作も名作というよりは怪作と呼ぶのが相応しいように思います。
鮮血舞い散るノワール世界ですが、骨子はあくまでライトノベル。
勿体ぶった文学の皮なども被っていない。徹頭徹尾、娯楽作品。
カクヨム史上最高の、エンターテイメント・ダークファンタジーです。
この作者の頭の中にはどれほどの人物が住み着いているのだろう。そう思わずにはいられなかった。
物語の始まりは読者を絶望へと突き落とした。転生、心が躍るワードかと思いきや生まれ変わった先は人ではなく何やら訳の分からない異常生命体。
物語は進行していくにつれ、読者は主人公の性格が異常なほど破綻していることに気が付いていく。それを徐々に読者へ浸透させていく手法も巧妙だ。他者視点を絶妙に使い分け、主人公の異常性を露出させていく。
伏線を伏線と感じさせない高度かつ自然な布石。また、心情描写も秀逸で”異世界”をテーマに置きつつここまで掘り下げることが出来るのか、と感嘆したものだ。
私は未だ現在公開されているすべての話を追えていない。
ただ、自分の中で溢れ、零れ落ちてしまったものの記録としてここに残す。
この物語は序盤こそ粗筋にある通り、死体に寄生して操る主人公が降り立った世界を旅する作品だったが、立ちふさがる障害や怪物を力技と洗脳能力でねじ伏せていく内に主人公のような境遇の怪物を利用しようと目論む勢力に付け狙われていくこととなる。
それは悪魔の力を駆使し人体実験を繰り返す邪教集団や、天使を信奉し精強な聖騎士を擁する宗教団体など多岐に渡る。
それらの勢力を時に利用し、時には強襲を仕掛けるなど、アグレッシブに彼らの魔の手を叩き潰していく主人公と彼の手にかかり洗脳済みの配下たち。一筋縄ではいかない相手に立ち向かう怪物そのものな主人公の戦いが楽しめる。
異世界に落とされた一匹の寄生虫がやがてその世界に波紋を広げる重厚な世界観のダークファンタジー。
キャラクターの豊富さ、インフレしても釣り合う敵対勢力、無残で無情な主人公。最高です。
こんなことを書くと怒られてしまうかもしれませんが某スライムの成り上がりにも通じるストーリー展開ではあるものの、関わる全てがそれを凌駕するハードさです。トントン拍子にことは進みませんのであしからず。
本作の良いとこは敵とのパワーバランスが良いところ。熱いバトルが楽しめますね。やはり面白い戦闘ってのは相手との力が拮抗、或いは上の者を倒すことなので。
無双は手っ取り早いし心地よいけれど飽きます。ずっと砂糖菓子は食べられません。あとハーレムもありません。主人公は精神的不能なので()。ロマンスなんぞ百足の餌にもなりません。
作者さんは意図的に無双とハーレムを忌避している気がしますので、そのジャンルに飽きてしまった人は楽しめると思います。
カクヨムで何作品も読みましたがレビューを書きたくなった作品は初めてです。
主人公の行動、ほかのキャラにも成程と思わせる設定がありこと細かく作りこんでる奥が深い作品だと思います。
最近の最初弱いけどすぐ強くなるという薄っぺらいキャラでもないし、女が出てくればすぐハーレムになるようなこともない所が私としてはかなりの高得点でした!!(そういう作品にはもう飽き飽きです)
少しずつ身につけていく力に対して、スケールが大きくなっていく敵との戦いが毎回ハラハラさせられっぱなしでした(汗)
主人公に人間味がない分、他のキャラたちの人間味に感動する場面もありで、続きが気になり一気に数日かけて読ませていただきました。
無事に完結する事を願っています。
作者様応援してます!素敵な作品をありがとう!
サイコパス、という言葉は簡単に使われ過ぎている気がする。
ちょっとばかり冷酷だったり、無感情だったりすると、簡単にサイコパス呼ばわりをされるし、言われた当人も若干うれしげだったりするお手軽な精神医学用語だ。
しかし、この物語の主人公であるローはそんなファッションサイコパスではない。
徹頭徹尾、己の目的に忠実で、それを果たすためならば洗脳だろうが虐殺だろうが自己改造だろうが、「面倒がないし、便利だから」という理由だけで無感動に淡々と実行していくのだ。まさにガチモンのサイコパスである。
この作品はそんなとんでもない主人公を中心に置いた群像劇とも言えるだろう。異世界転生者が俺TUEEEEできる要素が一切ないダークファンタジーとも言えるだろう。人によっては、何かまた別の見方をしているかもしれない。だが、そんな安直な括りに収まるような作品ではない。
物語はちょうど佳境に差し掛かっている。あくまで自分の目的のために世界の危機と対峙する主人公が一体どんな結末を迎えるのか……。
まったく予想もつかないが、その瞬間を共に迎えるために、いますぐこの作品を読みはじめようではないか。
蛇足ながら、最後に一言だけ付け加えておこう。
それにつけてもローさん、脳筋過ぎぃwww
この物語には、残酷、不条理、非共感的な展開が少なくありません。ですが、もしそれが嫌いでない方々には、自信を持っておすすめできる非常に面白い作品です。
この作品は、タグの通りダークファンタジーというジャンルですが、通常のダークファンタジーとは少し趣きが異なっています。
所謂ダークファンタジー作品では、主人公たちが立ち向かう困難や敵が(、ダークでないファンタジー作品に比べて)、とても残酷で、不条理で、悲劇的であることによってその世界観がダークなものになっていることが多いと思います。
しかし、この作品において不条理や残酷として機能しているものは、敵というよりもむしろ主人公となっています。
そしてここで、タグの通りの群像劇という形式が、興味深く活用されています。
この作品には、話の視点人物になったことがある人物が非常に多く、そして理不尽に死ぬ又は悲劇に見舞われるということも少なくありません。これがいわば不条理文学のように気味の悪さやブラックユーモアを演出しているのです。
また、複数主人公による短編集のような形でない場合、複数の視点人物を立てる群像劇では、人物というよりもむしろ起こった事件が「主人公」という言い方をされることがありますが、前述の通りこの作品における理不尽な事件とは、大抵主人公によるものなので、群像劇という形式をとりつつも、主人公をただの一視点人物ではなく唯一の主人公たらしめる効果があるように思えます。
ところでこの作品は、非常に強烈なダークさを持っている一方で、ファンタジーについてもまた魅力的な世界観を持っています。詳しくはネタバレになってしまうので控えますが、ファンタジーの世界といえど、(731話現在、)不可解で謎に満ちた様々な要素があります。これが今後どう明かされていくのか非常に楽しみです!
登場人物たちもまた、とても魅力的です。
上手いなと強く思うのは、700話超えの長い作品において彼らの成長や変化がきちんと分かるというところです。そしてまた、その変化の仕方や理由によって読み手がその人物を理解することを手助けしてくれます。それで彼らがより魅力的に感じられてしまいます。
非常におすすめな作品です。