第1235話 「紹介Ⅳ-Ⅳ+」

 アイオーン教団


 ハイデヴューネ・ライン・アイオーン


 アイオーン教団聖女。 表向きはトップだが象徴に近いので何でも好き勝手出来る訳ではない。

 三本目の聖剣を手に入れ、英雄クラスの相手でもなければ負けないぐらいの力を手に入れた。

 普段は信者向けの説法に組織運営の方針確認や各部署からの報告の確認作業と象徴ではあるがかなり忙しい。 グノーシス戦では単騎で複数の救世主と同じ聖剣使いのハーキュリーズを相手取り、決着まで時間を稼いで見せた。 タウミエル戦では序盤はセンテゴリフンクスでの防衛に専念していたが、終盤に突如現れたサベージに連れられて神剣の下へと向かう。 そこでローとタウミエルとの戦いに援軍として参加し、彼を勝利へと導いた。 その直後、戦いを挑んで来たローと交戦し、これに勝利する。 (ローは負けを認めていないが)

 

 最終的に自分を殺せと迫るローを殺す事が出来ずに武者の乱入により彼に逃げられる事となり、最後には転移で海へと放り出されてそのままエルマンに回収された。

 長い時間、望んでいた再会は最悪のものとなり、しばらくの間は落ち込んでいたが仲間達の言葉で持ち直し、タウミエル戦後は一つになりつつある世界を纏める為に忙しく奔走する事となる。

 いつの日か全てのしがらみから解き放たれた時、自分も旅に出ようといった望みを抱きながら。


 聖剣セフィラ・エヘイエー――第一の聖剣。  

 先述の魔剣クリファ・タウミエルと銘が違うだけで能力面ではほぼ同一。

 聖剣から齎された知識でローの攻撃を悉く無効にして勝利へと至ったので、かなり上手に使いこなせていた。


 ※正直、難産ではありませんでしたが、かなり扱いに迷ったキャラでした。

 当初としてはファティマと同様の幻のヒロイン枠、相棒、妹分とどの路線で行くにしても対応できるようにしていたので最初の方はブレブレだったような気がします。


 ――さて、聖女ことハイディ。 私が最終的に彼女に与えた役割は「処刑人」です。

 主人公の項目で触れましたが、モチベーション低下によって連載の打ち切りを決める時の死亡エンド。

 実はその大半に直接、間接問わず彼女が関わる事となります。 私が何らかの形で力尽き、筆を置く決意をした時に彼女はローの前に現れてその旅を強制的に終わらせる予定でした。 その為、主人公より主人公補正がかかっている別の意味で狂った存在へと変貌しました。 つまりは作中で死ぬ予定はほぼ皆無で、唯一あった可能性としては最終決戦時の一騎打ちに負けた場合ですね。 その場合、ローの未来もなかったので共倒れとなります。


 主人公は死ねない、要は死ぬ可能性が高いと認識している行為に対しては心理的に非常に強いブレーキがかかります。 彼は死に臨む場合、何かしらの死ねない理由――しがらみが縛り付ける形になる訳ですね。 タウミエルを打倒し、女王との約束を果たした彼はこの世界でのしがらみから解放されました。

 そして都合が良い事に目の前には自分を殺せそうな存在。 自身の運命を賭けるに値する場所と相手でした。 結局、彼の最初で最後に抱いたであろう心の底からの期待は裏切られましたが。

 そうなる事こそが彼の背負った業かもしれません。


 クリステラ・アルベルティーヌ・マルグリット


 聖堂騎士。 聖剣エロヒム・ギボールの担い手。

 戦闘に関しては勘が働き、武器の扱いにも長けている戦いの申し子のような存在。

 反面、それ以外の才能は絶望的になかった。 料理をすれば得体のしれない物体を創造してエルマンの体調を崩し、掃除をすれば家具を破壊して苦情を受けたエルマンの心にダメージを与え、書類を扱わせれば何故か不備が噴出してエルマンの精神に亀裂を走らせる。 その為、本人はまったく気が付いていないがエルマンからはかなり嫌われていた。 そして悲しい事にクリステラはエルマンの事を立派な上司と過剰に評価しているのでそれが一層彼の心労を募らせる結果になっていたのだが、こちらも気付かなかった。


 グノーシス戦ではオラトリアムへの助っ人として駆り出され、タウミエル戦の終盤までは同様にオラトリアムの前線を支え続けたが、聖女を送り込む関係でセンテゴリフンクスへと戻された。

 終盤はモンセラート達を守る為、タウミエルの眷属達と死闘を繰り広げて戦い抜き生存。

 戦後は守り抜いた彼女達と共にアイオーン教団の教えを広げる為の布教活動の一環で世界を旅している。


 ※美人でスタイルが良くて強いゴリラ。

 最初はもっと正統派の騎士といった感じでしたが、気が付けば剣じゃなくて殴ったり頭突きを多用するようになっていました。 どうしてこうなったのか私にもさっぱり分かりません。

 光る蛍光灯――ではなくカッコいい剣をクールに振り回すイメージだったのですが、主人公と似たようなごり押しで突破する人の形をした何かになっていましたね。 最終的に味方になりはしましたが、良い感じの立ち位置だったのではと勝手に思っています。



 エルマン・アベカシス


 アイオーン教団聖堂騎士。 後にウルスラグナ王国宰相を兼任する。

 ある意味で世界の苦しみを一身に背負った作中最大の功労者なのかもしれない。

 アイオーン教団の舵取りを実質一人で取り仕切り、その後に王妹と結婚して盤石と言える地位を手に入れた。 傍から見れば世界でも最高クラスの成功者だが、当人は欠片も歓迎していない。


 グノーシス戦では全体指揮を執り、タウミエル戦でも同様でどうにか最後まで生き残れた。

 ――生き残ってしまったと言い変えられるかもしれないが。

 オラトリアムとの直接取引を担当し、助勢を得る為の交渉は彼の精神を苛んでいたが、そのオラトリアムが消滅した事で訪れた苦難にファティマは彼の精神状態を理解して適度に圧をかけていたのだと気が付いて絶望した。 同時に親友である前宰相のルチャーノが居なくなった事が重なり、精神の均衡にも問題が出始めている。 彼はアイオーン教団、ウルスラグナ王国の実質トップである事で世界各国が結んだ同盟を牛耳れる立場となり、後釜を狙う者や戦後処理での扱いで私怨を抱いている者達に命を狙われる事となる。


 将来的には城から出られなくなるなと考えて遠い目をしている。


 ※作中で一番かわいそうなおじさん。 初登場時から一気に老け込みましたね。

 最初は普通のやれやれ系のおっさんって感じだったのですが今ではやつれて老人のようになっています。

 終盤では怪しいお薬に手を出して強引にテンションを上げて頑張っていました。 当初はそこまで重要なキャラクターとして設定しておらず、クリステラを担いで逃げたところでお役御免のはずだったのですがそのクリステラ関係のイベントを消化する為にリサイクルとなりました。 動かしてみると凄まじく使い勝手が良かったので気が付けば死にかけるまで酷使していました。 ごめんなさい。 ちゃんと天寿を全うさせるから許して。 シナリオ進行の貢献だけで言うなら主人公以上だったので、首途の次ぐらいに気に入っていました。 正直、やり過ぎたと思っているので、機会があれば何かしようと思いました。

 

 

 ゼナイド・シュゾン・ユルシュル


 聖堂騎士。 グノーシス、タウミエル戦で活躍し、重傷を負ったが何とか生存。

 戦後も聖堂騎士として活躍している。


 ※ネームドモブ。 当初はアイオーン発足の際の数合わせぐらいの気持ちで作ったキャラでした。

 強さ的には聖堂騎士の中の中~上ぐらい。 ぶっちゃけそこそこですね。

 いいところのお嬢さん設定は割と適当に付けたのですが、そこからユルシュル編に膨らませる事が出来たので上手い事使えたのかなと思っています。



 マネシア・リズ・エルンスト


 聖堂騎士。 長物や大盾を使う戦闘スタイルと同様にアイオーンを支える縁の下の力持ち。

 グノーシス戦で活躍したが、タウミエル戦で戦死。 死亡。


 ※ネームドモブ。 聖堂騎士では割と強い方ですね。

 アイオーンへ転向させるのは早めに決めていた事もあって生存の方向で決めていました。 イフェアスが一方的に惚れていましたが、本人はお友達でといった感じでした。 ただ、最後になって少し後悔していたので、脈はあったようですね。 ゼナイドとどちらを死なせるかで迷ったのですが、流れ的に彼女になりました。



 エイデン・アル・サンチェス

 リリーゼ・キアラ・サンチェス


 聖殿騎士から聖堂騎士になって装備が充実した。

 グノーシス、タウミエル戦を死にかけながらもどうにか乗り切った。 戦後は変わらずに聖女の護衛兼世話役として働いている。


 ※ネームドモブ。 聖殿騎士からランクアップしたので、聖堂騎士水準でみればそこまでではないですね。 お互いにヤバい感情を抱いている怪しい姉弟で一つ間違えると危険な関係に突入する可能性を秘めていますが、この作品の内容的には発生しません。 仮にしても見えない所で何か起こっているぐらいですね。 精々、父親の分からない子供ができているぐらいでしょう。 当初は九章の舞台装置で使い捨てる気満々でしたが、聖女の身の回りの世話をする人間が必要になったのでリサイクルしました。

 


 葛西かさい 常行つねゆき


 異邦人。 他の同類のまとめ役。

 エルマン程、精神を苛まれることはないが割と苦労はしている。 最近は北間が頼りになってきたので負担はかなり減って来ていた。 グノーシス、タウミエル戦を無事に切り抜けて生存。

 戦後は国家間の移動が楽になった事もあって困っている同郷の人間の保護活動を行っている。


 ※異邦人というよりは転生者関係のイベント消化の為に生存させました。

 まともな転生者という事で夜ノ森と同様で生存枠ですね。 前任の加々良でもよかったのですが、相手が主人公だったので死亡は確定していたので彼が残りました。 通っている影踏亭のミーナちゃんには素顔はまだ見せられていませんが、獣人や他種族との交流が盛んになった辺りで見せようかと考えています。 ちなみにタウミエル戦を生き残ったのは彼と北間、為谷、ゲジの転生者である道橋だけで後は死にました。



 北間きたま じん


 異邦人。 タウミエル戦を乗り越えた数少ない生き残り。

 三波を死なせた事が精神の成長を大きく促したが、その事実が彼の心を同じ場所に立ち止まらせていた。 ジャスミナに世話を焼いていたのは代償行為に近い。 彼女に依存される事に依存していた共依存関係。 葛西に指摘される事で少しだけ違った見方ができたので、関係をお友達から恋人へと進めるべく人生初の告白を――しようとしたがいつまで経っても言いだせない。

 

 ※異邦人のネームドモブ。 異邦人の括りで言うなら割と強い方。

 当初はアスピザルに始末された藤堂のおまけぐらいの立ち位置でしたが、三波、ジャスミナと絡ませる事で多少は存在感を出せたのではないかと思っています。 ちなみに他の異邦人は生き残った道橋は葛西達の部下として頑張っているぐらいのコメントしかないので項目はありません。


 

 モンセラート・プリスカ・ルービィ・エウラリア


 元グノーシス教団枢機卿。 度重なる権能使用によって死にかけていたが、ローの治療によって回復。

 完全に復調した事もあってグノーシス、タウミエル戦と権能によって味方を支援した。

 一時、自身の命を諦めていた事もあってタウミエル戦後は元気に日々を過ごしている。


 ※明るい! 賢い! 可愛い!といったコンセプトの幼女枢機卿。

 初対面では割とおとなしいですが、慣れると子犬のように寄ってきます。 アイオーン側への情報提供と戦力面でのテコ入れ、後は薄いキャラ層を補うといった割と重要なポジションでした。 死亡予定がありましたが、クリステラを引き入れる関係で生存しました。


 

 マルゴジャーテ・レニア・ファプル・アウゲスタ


 元グノーシス教団第二司教枢機卿。 第二は早い段階で攻略が完了した事もあって本国配置だった。

 モンセラートとほぼ同期だった事もあってグノーシスに対しては疑問を抱いていたのでアイオーンへの鞍替えも抵抗がなかった。

 ただ、度重なる権能使用により、モンセラートと同様に自らの寿命を悟って色々と諦めていた。

 

 司教枢機卿の役目は権能使用の際に発生する天使との接続を利用して世界の外に存在する知識を引き出す事にある。 託宣などと呼ばれているが実質は第一の聖剣の能力の下位互換を命を削って使用していただけだった。 これによりグノーシスは未知の技術を得る為の手掛かりとしている。 世界の外はタウミエルの管理外なので対抗手段の可能性を探る意味でも必要とされていたが、逃げる事を念頭に置いた今となっては惰性で少女の命を使い潰すだけの通例儀式と化していた。


 ※モンセラートよりちょっと落ち着いた性格の幼女枢機卿。

 見方を変えれば悟っているとも取れますが。 差別化はできてたんじゃないかと思っています。

 タウミエル戦を見据えてのアイオーン側のお助けキャラ。 戦力よりも日常面で貢献しました。

 


 フェレイラ・グエン・ジャニス・ベールジンシュ


 元グノーシス教団第七司教枢機卿。 モンセラートに対する歪んだ何かを抱えている変態。

 彼女にはモンセラートが光り輝いて見えるらしい。 その光を永遠に眺めていたいといった鋼の意志によってモンセラートをストーキングし続ける。 モンセラートが居たのでアイオーン側へ寝返った。

 マルゴジャーテと同様にタウミエル戦では権能支援に徹して生存。 無事に厳しい戦いを切り抜けた。


 戦後も同様にモンセラートを見つめ続けて幸せを感じている。

 ちなみに彼女とマルゴジャーテの同僚である他の枢機卿は敗北を受け入れられずにクロノカイロスへ戻って肥料へと転生した。


 ※這いまわるG――ではなくちょっと拗らせた幼女枢機卿。

 マルゴジャーテと同じでお助けキャラ枠。 寝返る動機付けとしてモンセラート推しにしましたが、気が付けば人間離れした挙動をするようになりました。 最初は物陰からそっと見守るだけでこんな気持ちの悪い挙動はしなかったのですが、何故こうなったのか……。


 

 ジャスミナ・ニコレッタ・ラエティティア


 今の肩書はアイオーン教団のヒラ職員。 

 ホルトゥナ関係での情報は搾り取るだけ搾り取ったのでそのまま解放しても良かったのだが、行くところもない以上、アイオーンに留まる以外の選択肢はなかった。 妹の掌の上で踊っている事を悟って絶望していたが、北間との触れ合いによって大きく持ち直した。 グノーシス戦では出番なしだったが、タウミエル戦では救護班として本陣で負傷者の治療に当たっていた。 比較的ではあるが安全な場所に居たので危なかったが生存。 戦後も変わらずに過ごしているが、北間の態度がおかしいのでこれはそう言う事なのだろうかと察して彼と会う度にそわそわしている。

 

 ※珍獣の妹。 性格的にも能力的にも特徴がありません。

 辛うじて他二人に比べると他人への指示出しは上手いですが、特別優れている訳ではないので本当に平凡です。 唯一の特徴は獣人である事ぐらいですね。 聖女をセンテゴリフンクスへと引っ張り込むだけの舞台装置だったので殺しても問題ありませんでしたが、何かに使えないかと生かしておきました。 北間がモーションをかけようとしている事は薄っすらと察しているが自分から言いだす度胸もないので告白されるのをずっと待っています。 言って来たら頷きますが、割と似た者同士なのでいつになる事か……。



 ヘイスティングス・リーランド・ハーキュリーズ


 元グノーシス教団救世主。 第二の聖剣ガリズ・ヨッドの担い手。

 教団に対する忠誠心ではなく仕事だからと割り切っていた職業聖騎士。 家族と死別した事により金に対する執着が消え失せたタイミングで聖剣に選ばれたので辞められずにズルズルと惰性で続けていた。

 やる気がない訳ではないがモチベーションの低い事もあって、教皇にはあまり信用されていない。


 同様に彼自身も教皇に対しては上司以上の感情は抱いていなかったどころか、体を乗り換える妖怪の類と認識していたのでどちらかといえば嫌いだった。 ただ、法王に対しては立派な王と認識していたので、彼に対しては最低限の忠誠心は持っている。 教皇はどうでもよかったが、法王が死んだ事でグノーシスへの未練が完全に消え失せた事もあったのでアイオーンへの鞍替えにあっさりと同意した。


 優れた剣技、複数の権能適性、聖剣と優秀な要素が揃っており、総合力ならクリステラに匹敵する。

 グノーシス戦では聖女と死闘を繰り広げ、部下の命を守る為に投降し、タウミエル戦では圧倒的な物量にも引かずに踏み止まり最後まで戦い抜いた。 戦後はエルマンが王国寄りの立ち位置となった事もあって彼のポジションを引き継ぐ事となり、忙しく過ごしているが最近は別人のように変わり果てた彼を心配している。


 ※エルマンの後任兼お友達。 組織を柔軟に回すエルマンと似た立場をやれる者が必要になったので、お助けキャラ枠と併せて寝返らせました。 アイオーンはオラトリアム以上に戦力面でテコ入れしないとタウミエル戦で即死なので生存確定枠ですね。 そんな事情もあってハーキュリーズはかなり強く設定されています。 お友達枠ではありますが、大親友のルチャーノの抜けた穴を埋めるには至らないようですね。

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