62 回顧

§§§




「地球人が火星への移住を試みています。放っておいていいのですか。流刑地と言えど、あそこは我々の管理する惑星です」


「放っておけ、我々には何の影響もないだろう。それとも何か? 今後奴らが我々の脅威になるとでも?」


「あんな下等種族に意識を向け、時間を割くこと自体が愚かだ。放っておけ。それに、流刑者たちが、どうなろうと知ったことではないだろう?」




§§§





 残留思念か…


 アザゼルはクリアファイルで保護された、それらの古びた紙の束をテーブルの上に戻した。



「アザゼルさんどうかしました?」


 アザゼルの顔を覗き込むポロ。


「何でもない。そうか、それが高放射線量の原因か?」

「はい。昔、この星には人が住んでいたようです。高度な文明は核戦争により滅んだとこの古文書に記載があります。そして、もしかしたら、この惑星の地下には住人がいるかもしれません」

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