13 逃走
体がしびれ動けない。
震えが止まらない。
ミカエルはもうろうとする意識の中で、自分に近づいてくる異形の姿を捉えていた。
異形は、足元で横たわるミカエルを見下ろし、首筋に鋭く生えた爪を突きつけた。
そのまま深くミカエルの首に爪を突き刺せばとどめを刺せる。
しかし、異形はそのまま動かなかった。
異形の頬を涙が伝った。
「そこらへんにしてくれないか。ボスをいじめるのは」
異形が後ろを振り返ると、三人の天使が立っていた。
気配に気づけなかったことに、一瞬異形は驚いた。
強い。と感じた。
気配に気づけなかったのは、戦闘に集中していたからでも、自分の感覚が鈍ったからでもなく、この三人が気配を殺してここまで近づいたからだと異形は理解した。
異形は口から光線を吐き、八本の腕を振り回した。頭上の光輪が巨大化すると、それから衝撃波がほとばしり三人の天使を襲った。
異形はアザゼルと康太郎、リアを両腕に抱えると、その場から飛び去って行った。
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