第151話

 ジョシュアが、顔から手を外しミオの両肩をきつくつかんだ。




「君を嫌がっても英国に連れていく。僕の傍にずっと置く」




「恋人になって欲しいと申し込まれた晩、旅の終わりまで試させてくれとおっしゃいましたよね。嫌だったら全力で逃げていいと。だから、俺を逃がしてください。滋養剤がなければ、ジョシュア様とは身体を重ねられません」




 嫌だ、嫌だというようにジョシュアの手がミオの身体をまさぐる。




「ロマンス小説ならここでハッピーエンドのはずなのに。主人公はこんなみっともなく取り乱したりしないし、相手だってこんな爆弾発言を最後の最後にしない」




 耳元で震えていたジョシュアの声のトーンが、急に低くなった。




「君は、自慰を披露させられ、『白』のくせに性欲があるなんて浅ましいとけなされ、笑われるのが当たり前だったと以前、言ったよね。それは、今の雇い主がさせたことだろう?そこに戻れば、きっとまた同じ毎日が始まる。それでもいいの?」




 ジョシュアが、ミオの頭の横に手をついて馬乗りになった。




 視線がいつもの何倍もきつい。




 きっと怒っているのだ。




 ミオを張り飛ばしたいほどに。




 奴隷の分際でありがたがるどころか、断るなんてと思っているはずだ。




「……はい」




「僕より、彼の方がましか」




 ジョシュアが、乱暴に香油の瓶を手に取ってミオの下半身に振りかけた。




 指が股の間に入り込んできて、孔を探り当てた。浅い部分を二、三度出し入れされ、香油のぬめりを借りてずぶっと指が入ってくる。




 同時に、雄を掴まれた。強引な刺激が始まる。

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