構成

 

 登場人物が本を読み始める。

 その本の中の登場人物も本を読み始める。


 そして、その本の中の登場人物もまた本を読み始める。それがずっと続いていく。



 きわめて古典的な作中作の手法。


 そんな革新的な構成を思いつけたら、自分もすらすらと小説が書けるんじゃないかな。プロローグとエピローグ、起承転結、伏線、最後のカタストロフ、そんなものから開放されて、のびのびと空想に羽を生やして遊ばせられたらいいのに――




 膨大な創作メモを見つめながら、あなたは今日も時間を空費している。

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