もみじ、ひとひら

作者 紺藤 香純

彼の、彼女は、鬼女!

  • ★★★ Excellent!!!

 
 市役所職員の勇貴は、楓さんという和服の美女とひょんなことから出会い、彼女と交際を始めます。グラビア・アイドルっぽい容姿のくせに、いつも和服の楓さん。可愛らしいのだが、古風で、それでいて少しズレていて、なんとも愛らしいのです。だが、この楓さん。じつは何百年も生きる鬼女だったのです!

 というあらすじなのですが、本作、ドタバタ系のラブコメでもなければ、妖怪退治のライトノベルでもありません。

 ちょっと普通で、でもちょっと変な市役所職員と、なんとも愛らしい人外美女の、ほのぼのした日常とほんわかした交際。それとちょっとばかり入り組んだ家族関係なんかが絡められて綴られるお二人の、あったかで、純粋で、たまにちょっと色っぽい恋愛譚です。

 とにかく、楓さんが可愛いんです。鬼なんだけど、角はいつも隠してます。


 ですが、あるとき楓さんが化け物退治のときに怪我を負ってしまい……。

 途中から物語は意外な方向へ進みます。本来まじわるはずのない人と鬼の運命の糸が絡み合う時、怪異で耽美な物語が幕を開けます。

 われは人、かれは人外。人と鬼は、愛し合ってもそこには辛い決着しか待っていないのでしょうか? 愛とは、人の男と、人の女の間にしかないものなのでしょうか?

 そんなことを考えさせられる恋愛譚でございます。


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その他のおすすめレビュー

★★★ Excellent!!!

本編の主人公である勇貴は、市役所勤務の傍らで家庭菜園で野菜を作り、新鮮な自家製野菜をふんだんに使って弁当を作るイマドキっぽくないイケメンです。
そんな彼が恋したのは、食いしん坊で天然で、グラビアアイ… 続きを読む

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