第35話 最強は撲滅を齎す⑤
大剣ロリドワの攻撃を避けつつ、メイジ職の放つ魔法を交すのは非常に至難の業だ。
ぶっちゃけ、いますぐ、私以外のプレイヤーの時間が止まれば良いのに! と本気で思ってしまう。
大剣の破壊を狙い出来る限り大剣を振り回すよう、動く私のタイミングに合わせメイジ職がアイスランスや、サンダーボルトを打ち込んでくる。
「チッ」
どうにもこうにもやり難くさを感じ、設置しておいたショック ボルト(+19)を発動させる。
すると、詠唱途中だったメイジ職の動きが止まる。
これでようやくいけると思って、大剣ロリドワを見ればこちらもショックを受けているようだ。
思わぬ幸運に、早速刀を杖に持ち変えメイジ職に向けてサイレンス(+25)を打ち込んでいく。次々あがるエフェクトを確認し終え、二刀へ持ち直し大剣ロリドワを仕留めにかかる。
[[大次郎先生] renメイジの後にいる]
[[ren] k]
先生の言葉に切りつける手を止め、杖を取り出すと全体バフだけを更新していく。
[[ren] ドワやって。宮ネェ中に入て石化解除]
[[大次郎先生] gogo]
先生言葉を合図に、黒が前へ出てレンジ ヘイトを敵対がいる方に発動させた。
ショック状態にある大剣ロリドワを、ティタ、シロ、さゆたん、キヨシ、先生が一気に攻撃して沈めると同時に、待機していた宮ネェ、キヨシ、さゆたん、ゼンさん、ヒガキさんが通路へ一度入り込む。
黒、ティタ、先生が入り口から通路へ出た状態で封鎖するとその後に、宗乃助、シロ、私が陣取る形を作る。その際シロから、高級魔石を受け取った。
[[ren] あり。後で払う]
[[白聖] おうおう]
即座に個別にバフを入れていく。
ティタ、黒、シロ、先生、宗乃助、ゼンさん、ヒガキさんに、ヘイストⅡ(+25)、ソウル オブ カリエンテ、ファイアーウェポン(+25)を入れた。
続いて、メイジ職である宮ネェ、さゆたん、キヨシ、自分にヘイストⅡ(+25)、マジック オブ アブソール(+25)、エレメンタルアップ(+15)、ソウル オブ ウラガーンを入れる。
宮ネェに関しては、エレメンタルアップを抜いてある。
サイレンス(+25)の入ったメイジ職へ、さゆたん、キヨシ、シロが、アイス ランス、サンダーストーム、サンダーを乗せたオリハルコンの矢を打ち込むことで次々沈めていく。
宮ネェにより、石化解除された剣士と戦士も宗乃助と先生が加勢に入ることで、程なくして静められた。
一人の時とは違い、サクサク殲滅が進む。これを雲泥の差と言うのだろうか……?
[[大次郎先生] ゼン、ヒガキは、宮ネェたちメイジ職を守って、前にでないで]
[[ゼン] はい]
[[ヒガキ] はい]
[[黒龍] ぞろぞろ来るぞ、ティタタゲよろ]
[[ティタ] k]
[[宮様] ヒガキ、ゼンはマップにも注意ね。逆から来ないか見ておいて]
[[ヒガキ] はい]
[[ゼン] はい]
ティタと黒を挟むように立つ先生、宗乃助の前を中心に設置型魔法を撒いていく。
先生に関してはHPは十分だが、硬さがティタ、黒に劣る。宗乃助の場合は、暗殺者と言うだけで素早さや火力はあるものの、HPは私と変わらないし硬さは紙である。
ティタ、黒に関しては、ソロでもなんとかできるだろうと勝手に思っているので、問題はないはずだと思い込む。
モブの処理を終えた、本体が一気に押し寄せ乱戦となった。
布陣をしく、四人からHPPOTを使用した緑の光が次々とあがり、1vs2、3の状態となる。
守る四人を倒れさせてなるものかと、宮ネェが必死に回復を回すも崩れるのは時間の問題だろう。
そうならないために、私も必死にデバフを入れていく。宗乃助の前に陣取った二刀使いの剣士にペトリファクション(+25)を入れつつ、バインド(+18)、スロー レンジ(+5)を発動させた。
やはり耐性がある者が多くあまり効いては居ないが、少なくとも三人は止められたし、4人は動きが遅くなっている。これはこれで十分な成果だ。
宗乃助のHPが危ないが、宮ネェの回復が間に合いそうにないことを悟り、瞬時に杖の精錬ヒールで回復をかける。
[[宗乃助] 助かったでござる]
効かないだろうとは思いつつ、スリープを試すがやはりダメだった。MPの無駄だったと反省してペトリファクション(+25)をしつこくかけ続けていく間に、ティタ、黒、先生が盾を一人討ち取った。
キヨシが縦横無人に動き、さゆたんが、壁から出たり入ったりしながら、サンダーストームを次々と敵方へと打ち込んで、後方からシロが、オリハルコンアローで、ティタのつけたターゲットマーカーを頼りに連射する。
[[宮様] MP]
[[大次郎先生] ren。あれいける?]
[[ren] k]
返事を返すと同時に、プロテクト スケイルを入れる。20秒だが宮ネェがMPPOTを飲み、黒、ティタ、先生、宗乃助がHPPOTを飲む時間ぐらいはあるだろう。
その後直に、設置型のバインド(+18)を再度仕掛け、即座に発動させる。
黒の正面に立つランス持ちの盾が、バインドにかかるとティタが間を置かずターゲットマーカーをその盾に合わせ指示を飛ばすと、ティタと黒、宗乃助がメイン武器で切りつけ、先生が槍の長さを生かし攻撃する。
さゆたん、キヨシが魔法アイス ランスを放ち盾は30秒持たずに倒れ灰色へと変化した。
[[黒龍] くそっ、後の回復職が2枚かよ]
[[ren] バフ更新、遊撃行く]
[[大次郎先生] 頼む]
[[ren] k]
バフの更新を始めると狙ったように矢が飛んでくる。
それを見ていたキヨシが矢を飛ばしたエルフへ向け、「デスジャッジメント――最後の審判と呼ばれている魔法。攻撃魔法専門のメイジ職であれば誰でも使え、INTに依存している。効果があれば即死、無ければ何も起こらない魔法である――いくぜぇ~」と叫び打ち込んだ。
打ち込まれると同時に、デスサイズを持った黒い衣を纏う骸骨現われ、エルフの首へデスサイズを振るうエフェクトが現れる。エフェクトが消え数瞬して、エルフが後へ崩れるように倒れ灰色へと変化した。
[[キヨシ] うおぉぉぉ~。俺すごくねー?]
[[黒龍] たまたまな]
[[ティタ] たまたまだな]
[[ゼン] キヨシ君凄い!]
[[宗乃助] たまたまでござる]
[[白聖] たまたまだ」
[[大次郎先生] あー。うんたまたまだね]
[[さゆたん] ……あれを選択するバカはキヨシだけでしゅ]
たまたま効いてしまったキヨシのデスジャッジメントに、褒め言葉を伝えたのはゼンさんだけだった。バフの更新が終わり、路地へと走る。
かなり大回りにはなるが、後から強襲して回復職メイジを黙らせ殺すのが今回の目的だ。
ディティクションを打ち上げつつ、MPPOTを飲みモブを引いたまま後ろへと走る。
相手もバカでは無いだろう、護衛の数名は残しているはずだと考え、杖装備のままで移動する。
後二つカドを曲がれば真後ろへ出るところでもう一度ディティクションを打ち上げた。
マップに特に反応は無く、護衛にも出会わないまますんなりと回復を飛ばすメイジたちの後ろへと付いてしまった……。
[[ren] 回復メイジに護衛いない]
[[宮様] バカなんでしょ、やっちゃいなさい]
宮ネェのお言葉に従い、回復メイジへサイレンス(+25)を詠唱破棄で乱発すれば、MPを半分ほど使ったところで全員がサイレンス状態となった。
ニヤっと笑いを浮かべ杖を刀に変える。バフを更新せず逃げ惑うローブ姿のメイジへ切りつける。
右手の刀を腹目掛け刺す。左手の刀で首を切りつけ、右手の刀を引き抜くともう一度刺しその状態のまま、ブレス オブ アローを叩き込み、一人目のローブ姿のメイジが灰色へと変わった。
漸く回復職が機能していないことに気付いたらしい、エルフが弓を引き私へ向い攻撃すると大槌を担いだ犬獣人がこちらへと向って走って来る。
残り@7名
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