第14話 最強はクランを作る⑧
色々とあったが、漸く最後のクエスト狩場である、誓いの遺跡へ到着した。
この狩場のモブは、地属性と火属性だ。地属性のモブには強化したアースバインドでも、その効果は期待できないだろう。
それに加え、火属性のモブは攻撃力が、他の属性のモブよりも1.2倍ほど強くなっている。
回復を持つ宮ネェに負担がかかることが判るため、引き役の二人へ支給物として超高級HPpotを渡してみたが、それでどれほど宮ネェのMPが持つか……。
不安はあれど、やってみなければ判らないだろ? と先生のお言葉を賜った。
そう言うわけでバフをまわす。
エレメンタルエンチャント(+25)
マジック オブ ワイルド(+25)
マジック オブ ボディ(+25)
マジック オブ スピリット(+25)
マジック オブ マインド(+25)
ドラゴンマスター エンチャント:CON (+5)
(CON+7)
ドラゴンマスター エンチャント:DEX (+5)
ドラゴンマスター エンチャント:STR (+5)
ドラゴンマスター エンチャント:INT (+5)
ドラゴンマスター エンチャント:MEN (+5)
マジック オブ シールドを外し、ドラゴンマスターのバフを追加した。
引きに行く二人に、ヘイストⅡ(+25)をかけ、見送る。
設置型魔法に、初回と言うことで、アースバインドを含め、3つ設置してみる。
・バインド(+18)
・アイス ニードル(+20)地面に張った氷が棘で突き出し持続ダメージを与える。
・スロー レンジ(+5)
宮ネェ、キヨシにマジック オブ アブソール(+25)を、シロ、先生、宗乃助に、ヘイストⅡ(+25)とウォーター ウェポイン(+20)をかけた。
ウィンドの方が良いように思えたが、火属性のモブを先に殲滅させた方が、HP管理を担当する宮ネェが楽だろうと言う判断で、ウォーターの方にしておいた。
ティタのカウントが入る。様子を見れば他の狩場と同じ位の数を引き連れてきている……。
自殺願望? があるのかそれともただの、新生マゾなのか理解に苦しんだが、そんな場合じゃないと思考を打ち切った。
倒れた石碑が折り重なる窪みに、ティタと黒がタイミングを合わせ入り込む。
黒が使う、ヘイトレンジのエフェクトが見え、同時にスローレンジを発動させる。槍を持つ近接の三人が攻撃をはじめる。念のため、キヨシにエレメンタルアップ(+15)を入れ、引き役二人に、とウォーターウェポイン(+20)を追加でかけた。
宮ネェが、忙しそうに回復を回している。
効くかは不明だが、ないよりはましだろうとバインド(+18)を発動させた。不安を拭いきれず、様子を伺えば、火属性のモブだけはなんとか固まってくれたようだった。
そこに、キヨシが水の上位魔法である、氷魔法スノーストームを使い、動けない火属性モブをに大きなダメージを与え火属性のモブを次々沈めていった。
残る地属性。ウォーターウェポン(+20)をウィンドウェポン(+20)に変更していく。
本当は、上位の雷系バフがあればいいのだが、魔法書が買えないので仕方が無い。
小気味良いクリティカル音が数回鳴り響き、折り重なったモブが、黄色い粒子になると消えて行った。
モブの処理を終え、PTメンバー全員で相談をする。
『宮、どうだった?』
『きつい。ぶっちゃけ、半分にしてくれないと、二回に一回は休憩が必要になると思うわ』
先生が、回復職の宮ネェに感想を聞いている。
『やっぱ、多かったか……』
『んー。じゃぁ引き俺だけでいいわ。ティタ残っといて』
『そうだな、半分でいいならティタに残ってもらって、黒だけでいいな』
『りょーかい』
多かった自覚があったらしい、ティタの言葉にマゾじゃなかった……と安心しつつ、聞いていれば、黒がひとりで引くことを提案し、先生が賛同してここでは黒だけが引くことになった。
相談が終われば狩りがはじまる。
PTバフを更新して、引き役の黒にヘイストⅡ(+25)をかけ見送り、メイジ職の二人にいつも通りバフを回して、黒が戻るのを待つ。
『そう言えばさ。クラン作るのはいいけど、黒とシロどうすんの?』
『抜ける』
『俺も』
『そっか。二人クラン入ってるから、どうすんのかなって思ってさ』
暇をだされたティタが、別のクランに所属しているシロと黒にクランをどうするのか聞いていた。
これで、言いだしっぺの黒が来ないとか言えば、本気で殺しにいってたけど……来るようだ。
『クラン名?』
『ぁ……! 後で相談しよう……か?』
そう言えば、クランを作るとは言っているが、クラン名の相談をしていないことに気づき、PTチャで伝えてみれば、先生は視線を右に逸らした。
他のメンバーも、視線を合わせようとしない。
『ワスレテタンデスネ』
ここは伝えるべきだろうと、あえてチャットで表示しておいた。
黒が戻るとチャット入れた。モブを引き連れた黒の姿を確認して、近接四人にヘイストⅡ(+25)とウォーター ウェポン(+20)をかけ。設置型魔法を置いた。
黒が窪みに入ると同時に、キヨシにエレメンタル アップ(+15)をかける。
ヘイトレンジのエフェクトが3回あがり、バインド(+18)を発動さた。後は、作業のごとく、同じことを繰り返せば、モブが黄色い粒子になって消えて行った。
それを12回繰り返したところで、クエストアイテム誓い(地)を25個ゲットできた。これで、漸く面倒な狩りが終わりをむかえた。
帰還の護符を使おうという話になったのだが、例の如くキヨシが……店売り、10kゼルの護符すら持っていないと言い出し、皆にボコられHPがミリ単位の表示になったところで、土下座をかますキヨシに黒がトレードで渡していた。
今までの事を顧みれば、また直ぐに同じようにやるだろうと思いつつ、帰還の護符を使いネキュレネの街へと戻った。
街に戻り、クラン名を決めるため宿屋へと集まる。
ログアウト中のさゆたんへ連絡を入れるため、先生が一度ログアウトするのを見送り暇なメンバーで、クランの方向性などについて話す。
「PK有りは絶対だな。攻城戦やりてーなぁ。でかい街の城主クランとか最高じゃね?」
「まぁ、PKは絶対。レイドやりたい」
「そうねぇ。PKナシは無しよね~」
「拙者も攻城戦はやりたいでござる。忍として諜報活動なんかやってみたいでござるよ」
「俺も、レイドに一票! 金欲しい!」
「キヨシ……。参加できるだけの装備揃えろよ?」
黒、ティタ、宮ネェのPKは絶対については、私自身PKしないなんてありえないから、心配はないとして。
黒、宗之助は攻城戦。ティタ、キヨシがレイド。キヨシに関しては、シロの言うとおりだと思った。お金が欲しいなら装備消滅させなきゃいいのに……本当に馬鹿。
「PKは絶対。レイドと攻城戦ならやれるけど人数少なすぎない? 人の募集するの?」
「あ~。新規は入れたくねーな」
「私もパスしたいわ」
「寄生虫沸くだけだな」
PKはいいけど他の希望については、どう考えても今のメンバーだけでは厳しいと考え聞いてみれば、黒、宮ネェ、シロが新規参入はパスと答えた……。
私含め、九人でレイドも攻城戦もやるつもりなのだろうか? 三人の意見には同意だが、流石に誰も入れないと言うのは無理だと言わざるを得なかった。
ベットで眠っていた、先生のキャラが動き出したのを見て口々におかえりと伝える。
先生の話では、30分後にさゆたんがログインすると言うので、来るまで宿屋でメンバー補充などについて先生も含め相談しつつ、さゆたんが来るのを待った。
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