赤い彗星
「女王さま。どうしても海水浴をしたいのですね」
「ええそうよ。童貞力の高い男子をお持ち帰りするためには一緒に泳ぐのが一番なの」
「なるほど、そうでございますね。しかし、策はあるのですか。変化は海水に弱いのですが」
「海水防御魔法陣を施した
「その手がありましたか。魔法のスーツに防水機能を持たせるんですね。では早速制作に取り掛かりましょう」
マミヤとその部下が魔法スーツの制作に取りかかってくれた。翌日にそれは完成していた。
「女王さま。力作でございます。サイズ合わせを」
マミヤはそのスーツを私に着せてくれた。赤ではなく朱色。そして左胸にはジ〇ン軍のマーキングが入り、右胸には誇らしげにMSM-07Sと型式番号が刻まれていた。
私はその赤い
目指すは海斗と出会ったあの岩場。
「こんにちは!」
後ろから声をかけられた。海斗の声だ。
「こんにちは。海斗」
「陽子ちゃん凄いね。そのスウェットスーツ。赤い彗星みたいだよ」
「ええ。家族の力作なの」
「へえ。そうなんだ。じゃあ早速泳ごうか」
私は激しく反応している童貞スカウターを外し、荷物を置いて海へと入っていく。海斗は私の手を握って
冷たい、いや、そうでもない。
私は海で泳いだことなど無い。
そんな私に海斗は手取り足取り教えてくれた。
海水に顔を浸ける事。
リラックスして浮かぶ事。
海の小さな生き物を捕まえて遊ぶ事。
全てが新鮮で楽しかった。
1000年生きた私だったが、こんなに楽しい時間を過ごした事など無かった。
海斗は泳ぎが上手だ。そして海が大好きだ。
海斗を見ているとそれが良くわかる。そんな彼がどうして一人で泳いでいるのか分からなかった。
私は質問した。
「海斗はどうして一人なの?」
一舜海斗の表情が曇る。
そして俯いた。
私は聞いてはいけない事を聞いてしまったと後悔したのだが、海斗は私の顔を見つめて話してくれた。
「本当は誰にも話すつもりはなかったんだ。でも陽子ちゃんには聞いてほしい」
私は頷いた。
そして海斗が話し始めた。
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