第三章それぞれの仕事 最終話スラム街

4025 7 15 12:35

ゼロ王国 西町

ゼロ

西町の外れ。そこには職に就く事が出来なく、犯罪行為を繰り返し、生活している奴らが住んでいる街がある。軍にもなれず、冒険者をやらず、普通に就職することを諦め、犯罪に手を染める事しか出来ない集団が放置された街に住み着き、連携して犯罪行為を行っている。強盗に恐喝、殺人、詐欺、薬物乱用などいろんな犯罪を犯している。年齢層は広く、大人から子供まで犯罪を繰り返している。前国王はこれを把握していたが、必要悪として放置。見て見ぬフリを続けた。それからどんどん拡大し、西町の半分がスラム街と化した。報告でもスラム街付近でのトラブルの件の報告が多い。このままではまずいと思い、撲滅作戦を立案し、今日実行した。

俺が西町に到着した頃には、隊員達がスラム街に住む住民の対応をしていた。スラム街の住民は何事かと騒いでいる。

車を出て、スラム街の道を歩く。見た目はやはりアフリカのスラムと同じだった。荒廃し、住民の心も荒んでいる。

「ボス。」

担当の部隊長が来た。

「状況は?」

「住民はやはり騒いでいます。暴動も起きるかもしれません。隊員達は銃を持っていますが、スラム街に住む住民はとても多いです。対応しきれないかもしれません。」

「了解。引き続き住民の規制を。俺が広場で話す。」 

「すでに第三部隊が待機しています。いつでも大丈夫です。」

「分かった。頼むぞ。」

部隊長と別れ、俺は広場に到着した。広場の中に住民が集まっていて、第三部隊が警備していた。

「ボスー。スピーカー📢の準備は大丈夫だよ。」

「住民達は?」

「話は聞いてくれるみたい。あなたの内容次第では、暴動を起こすぞって脅しているよ。」

「ふっ。スピーカーを。」

韓国製のK1アサルトライフルを装備している白のセーラー服の少女がスピーカーを置き、マイクを渡した。

じゃ、言いますか。

『住民の皆さん。私はゼロ王国の国王、ゼロである。今日兵士達がここにいる理由は諸君らの待遇改善の為に来ているのだ。このスラム街は西町の半分に及び、毎回近隣の住民や観光客から苦情が来ている。逮捕率も高い。そこで、私は君たちの現状を変える為にここで説明する。』

住民の一人が叫ぶ。

「何の目的で来た?」

『スラム街に住む大人は我々管轄の兵士になり、国に奉仕することだ。』

「お前ごときに言われてたまるか!」

やはり西町での俺の評価は低い。

『もちろんタダでとは言わない。君たちの給与はもちろん、この街に正式に住む権利が認められ、不法滞在の罪に問われない。君たちの犯罪履歴も無しにする。』

それでも住民の抗議はやまない。

なら、

『じゃあ出て行け。答えない、ただ言うだけの奴は即刻国から出て行け。俺は前の国王より厳しいぞ。』

住民達が息を飲む。俺の本気の目が伝わったのだろう。

『今から一時間、時間をやろう。この放送は西町に広がっている。条件を飲む大人はここに集まれ。飲めないなら国から出て行け。咎めはしない。以上。』

住民達は急いで家に戻った。これから相談するのだろう。俺はここで待っているか。

「ボス。お茶です。」

「ああ、ありがとう。」

お茶を受け取り、一杯飲む。

「エミリア。何割集まると思う?」

「良くて六割。だいたいが国を出て行くと思います。」

「あの演説の後、隊員達はあるチラシを住民達に配っている。その内容次第では、もっと集まると思うぜ。」

「チラシ?内容は?」

「仕事の成功に応じて、様々なサービスをする事の説明が書いてあるチラシだよ。」

「どんなサービスが?」

「少し高い食べ物や資源、服、道具、更には女をプレゼントだ。」

「娼婦達を?」

「メリーが既に手を回してくれた。喜んで引き受けたそうだ。娼婦は隊員達にも使う。」

「子供達は?」

「後で説明する。それに子供達はここから出れない。」

「スラムの大人を使って何をする気?」

「うちの隊員達の人数はおよそ二万。スラム街の住民はおよそ五万だ。そのうちの大人が六割集まれば戦力が増える。訓練すれば、かなりの兵力を確保出来る。」

「あの騒動以来、王国側の兵士はほとんどが死に、今や私達が兵士を務めている。」

「民間人を訓練する理由は備える為だ。」

「何に?」

「秘密だ。」

それから一時間後、スラム街の住民の六割が集まった。他はここから去ったのだろう。

「ここに集まってくれたこと、感謝する。さっそく本題に入ろう。今回君たちを集めた理由は………」





18:00

ゼロ

戦力増強を急いだ理由はロシアの襲撃に備える為だ。ロシアの兵士は北の国を拠点にし、

力を蓄えている。近いうちに侵攻する可能性がある。

説明を聞いた住民は理解してくれた。自分の身を守る力が必要だからだ。いつまでも俺達が守ってくれる訳ではない。俺達がいない状況があるはずだ。そんな時に身を守る訓練が必要だ。住民も国が危機に陥ったら、国を守る為、戦う。家族を守る為に戦う。

上空三千メートルの空でそう思った。浮遊魔法を使い、夜の空を見ていた。綺麗な星空が広がっていた。絶景だった。

「………」

国民の士気の次は訓練だ。これは基地の部隊がやるだろう。たが、

「せっかくの魔術だ。使わなきゃもったいないな。」

魔術の技も増えてたくさんある。銃を利用した魔術も。

あと交流も大事だな。他の国と仲良くなって損はない。情報も集められるし、交易も多くなる。

「………なら、やってやろうじゃないか。」

それに、

『私の事?』

分かっていたのか。

『うん。私のマスターは蒼汰だから、私も協力するよ。』

なら、ここから成長してやろう。俺達でも乗り越えられると。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

特殊傭兵たちの異世界召喚 @scared24

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ