第一章 異世界生活 第二十一話 ゼロ、国を治める

「え?ジョス、もう一度言ってくれ。」

「だから、お前がこの国の王になってくれ。」

「は?ちょっと待て。」

ジョス、何を考えている?

「第一、俺は部外者だぞ。そんな奴に王様やってくれなんて、おかしいじゃないか?」

そう言ったが、

「大丈夫だ。お前は知らないが、国民はお前の行動を見て、尊敬している。お前達のおかげで、この国は安定したのだ。だから、お前がなった方がいいのだ。」

ジョス、本気で言ってる?

ジョスの顔は真剣だった。

「………………」

仲間を見ると、期待の眼差しで見ていた。

お前ら、俺がやれと!?面倒くさくなるじゃん。………………ハァ、しょうがない。

「分かったよ。王不在の国だとまずいからな。」

「ほ、本当か?」

「ああ、ここまでやったんだ。俺達で責任持つしかないだろ。」

「おめでとう~~!」

パチパチパチパチパチパチパチパチ👏

仲間から拍手が起こった。

「お前ら………」

「ボス。おめでとう。」

とクラン。

「おめでとう、ボス~。」

とモナカ。

「面白くなって来たねぇー。頑張ってよ、ボス。」

とメリー。

「おめでとうございます、ゼロ君!」

とミミ。

仲間達も喜んでくれた。

「ありがとう、えっと、ボス。」

ジョス、合わせなくてもいいぞ。

さて、後は、

「この後、どうするか?」

「それなら、私に任せてくれ。」

ジョスが進言した。

「いいのか?」

「ああ、任せてくれ。」

「了解。第二部隊、ジョスの指示に従い、処理を頼む。」

「「「「「了解!」」」」」

第二部隊はジョスの元に集まり、ジョスの話を聞いた。

「さて、これから大変になるぞ。」

「ボスなら大丈夫だよ。さ、国民に演説しないとね。」

え?早くない?

「じゃないと国民が不安になるじゃん。何が起きたのか分からないから。」

まあ、そうか。

「すぐにやるのはいいけど、演説の内容なんか考えてないぞ。」

「佐山が演説の用紙を作成しているって連絡が来たよ。」

行動早っ!

「ボス、あんたは服を変えなよ。その服、汚れているよ。」

確かに戦闘で服が汚れている。

「分かった。そうするよ。今時間は?」

「16:14よ。」

「19:00から演説すると国民に伝えられるか?」

「すでに佐山が国民に知らせたわ。」

さすがに早くない?

「エミリア達の部隊が町にいたからね。今、国民に知らせていると思うよ。」

なら大丈夫だな。

「じゃ、基地に行きますか。」

「ゼロ君、歩きで行くのですか?」

そうだった。車が無いんだった。

すると、ブラックホークがこっちに来た。軍用ヘリのローター音が大きく鳴っている。

ヘリが広い場所に着陸し、ドアが開いた。

『ボス、乗ってください。演説がありますからね。』

ヘリのパイロットが言った。

しょうがない。

「ミミ、メリー、行くぞ。」

「はい!」

「了解~。」

俺達はヘリに乗り、基地に向かった。

「この乗り物に乗るの、初めてです!」

「楽しいフライトになるぞ、ミミ!」






18:30

中央広場 ステージ裏

「ネクタイは………青でいいか。」

俺はネクタイを締め、前の鏡を見る。

「んー、これでいいかな?」

黒スーツに、白いワイシャツ、青いネクタイ、黒の革靴のどこかの大統領みたいな服装が鏡に写っていた。

あ、忘れてた。

ポケットから会社のプレートを出し、胸ポケットに付ける。

これでよし。

すると、米軍兵装の支援隊員がこの更衣室のテントに来た。

「ボス、そろそろ時間です。」

「ああ、行くよ。」

俺は隊員と一緒にテントから出た。

中央広場の北側をステージにして、その余ったスペースをテントの場所にしたのだ。係員や準備する人でいっぱいだった。

俺は隊員と一緒に舞台裏のちょっとした場所に着いた。

「私はこれから仕事がありますので、これで。」

「ああ、ありがとうな。」

隊員は敬礼して、その場を去った。

俺はもう一人の出演者を待つため、そこにあったパイプ椅子に座った。

この演説に、国民や貴族などが多く来ていた。他の国の貴族なども来ているらしい。

係員も忙しく準備していた。

まあ、佐山の原稿はしっかり頭にたたき込んだからな。後は覚悟だ。挫けずに、しっかり言おう。

「お待たせしました!遅れてすみません、ゼロ君!」

青いドレスを着たミミがやって来た。

ああ、ミミは何を着ても可愛い。

「いや、まだ15分前だ。間に合っているよ。」

「あ、そうですか。良かったー。」

ミミは安心したようだ。

「ミミ、似合っているぞ。」

「え?そ、そうですか?えへへ。」

ミミは赤くなりながら笑った。

「やっぱりミミを連れて来て良かったよ。」

「本当ですか?それなら良かったです!」

「ミミには世話になったからな。この演説のサポートをして欲しいと思ったんだ。」

「私に出来る事があれば、何でも言ってください。」

途中ヘリの通り過ぎるのを見た。会場の警備は厳重で、基地の倉庫にあったドローンも飛ばしている。更に、会場近くの建物には隊員がいて、狙撃のポイントを潰している。

「お兄ちゃん。」

零が俺達のところに来た。

「零。」

「零さん。」

「いやー、お兄ちゃんがまさか国王になるなんてね。今でも信じられないよ。」

「俺だって信じられないが、この演説で、国王になるんだからな。しっかり盛り上がらせないとな。」

すると、零は微笑んで、

「お兄ちゃんなら出来るよ。私が見てきたからね。だから、お兄ちゃん。頑張ってね。」

零………ああ、分かった。

「それとミミちゃん。」

「は、はい!」

「最初、お兄ちゃんが惚れた女の子がどんな雌なのか見ていたけど、あなたなら私の代わりにお兄ちゃんを守ってくれるね。応援しているわ。」

ミミを雌呼ばわりするな。後、いい方がある意味恥ずかしい。

「じゃ、私は客席に戻るね。頑張ってよ!」

零がそう言って、去った。

「零さん、いい妹さんですね。」

「ああ、多少のブラコンがなければ完璧何だがな。」

すると、係員が舞台袖に来るよう言われ、俺達は舞台袖に待機した。

「後3分です。」

さっきチラっと見たが、かなりの人が座っているぞ。そんな中、俺は演説するのか。

「何だか緊張するなぁ。」

「ゼロ君、国王様の演説の際、多くの人が来ていましたが、今回はそれ以上の人が来ています。これは前代未聞ですよ。」

そうなのか?俺はただ人が多いしか思えないが。

「後一分です。」

そろそろだな。

「ミミ、今だから言うぜ。俺はお前が好きだ。出会った時からな。」

ミミは最初驚いていたが、すぐに治った。

「はい!私もです!」

「だから、俺を信じてくれ。お前は歴史に見ない出来事に遭遇するぜ。賭けてもいい。」

「はい!私はゼロ君の専属メイドですから、ゼロ君を信じます!」

「ボス、出番です。」

「行こう、ミミ。」

「はい!ゼロ君!」

俺達はステージに向かった。

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