第一章 異世界生活 第十八話 帰り道

その後、錬子達と一緒に車に乗り、城へ向かった。運転手はメリーで、助手席には錬子が座っている。俺とミミは、ヘロヘロ状態な為、後部座席に座っている。

「それにしても、あの時のボス、まじて面白かったわー。アハハハハ!」

「笑うな!言うな!恥ずかしい。」

もう思い出したくない。

ちなみに、ミミは途中で寝てしまい、俺の肩に寄りかかっている。

畜生。いい匂いがする。寝顔も可愛い!

「まあ、このまま城に戻りますよ。」

錬子が言った。

「あ、そうだ。錬子、メリー、お前達はこの国をどう思う?」

「いい国だよー!面白い事がたくさんあるし。」

「まあ、お姉ちゃんの言う通りです。前の支部より、平和ですからね。」

と、メリーと錬子が答えた。

「そうか、それなら良かった。」

仲間達もこの国を良く思っている。その事で俺は安心した。

「………ボス、ミミは寝てる?」

「………ああ寝てるよ。ぐっすりな。」

すると、メリーが改まって話した。

「昨日の午後五時、隊員三名が南町の路上で死亡したわ。」

「何!?どの部隊だ?」

「………最悪な事に、第三部隊よ。死体の損傷が激しくて、最初は誰なのか分からなかったそうよ。」

………初の死者か。

「一応聞くが………エミリアはどうなっている?」

「………あー、それは………」

すると、錬子が代わりに説明した。

「スイッチ入って、今覚醒中です。」

「………マジか。誰も死んでない?」

「………彼女の事を冷やかした王国の人間が一人、第三部隊にリンチにされたわ。意識不明の重体で病院送りよ。」

あー、その人、何て運の悪い。

「………正直、第三部隊はその犯人に復讐しようと、作戦を立てているみたいだよ。ボスの許可無しに。」

「………彼女を怒らせた犯人がどうなるのか、ちょっと可哀想になるね。」

メリーと錬子の姉妹スイッチオン状態のエミリアが少し苦手だ。前にそれを見て、恐怖を覚えたかららしい。

「エミリアとレギーが動くとなると、犯人の体が無くなるかもな。」

「え?」

「どういう事です?」

「第五部隊は昨日、第三部隊と連携すると俺に報告したよ。ナンバーワンスナイパーと、ナンバーツースナイパーのコンビだ。明日から荒れるぞ。」

「ええ~!?ボス、それ本当?」

「だとしたら、血を見るどころじゃあないです!」

二人が驚くのは当たり前だ。エミリアとレギーの合同部隊が戦うと、死体がめちゃくちゃになる。そのぐらい派手にやるのだ。

「ああ、だから、俺が頑張らないとな。」

「ボス………」

「ボス………」

エミリアの暴走を抑えないと、やばい事になる。そのためには、俺の出番が必要だ。

「それに、ミミに迷惑をかけたくない。」

ミミには心配かけたくない。あいつが余計に心配するからな。

相変わらず、可愛い寝顔を見せやがって。

反則だ。

「………ボスは、ミミの事が好き?」

錬子が質問した。

「………恥ずかしいが、その通りだ。俺はミミが好きだ。」

「ストレートに言うねぇ~。聞いているこっちが恥ずかしいよ。」

メリーが茶化した。

「仕方ないだろ!あんなに俺に接して、アピールして、なおかつ可愛い仕草をするから、だんだん好きになったよ!」

「ふーん。じゃ、それを起きているミミに言ってね。」

………ん?起きている?

「ゼロ君。私も好きです。いろんなところが好きです。ゼロ君も私の事が好きなのですか?うれしいです。」

嘘!?起きてる!!いつからだ!?

「ミミの事が好きのところからだよ。気づかなかったの?」

嘘だろ!?

「えへへー。これからもよろしくお願いします、ゼロ君❤」

ハ、ハハ。ま、オーケーもらったからよしとしよう。

「それはそうと、ボス、この国の闇、思ったより深いよ。私の部下を調査に出したけど、どうやら、この国の王に暗躍の噂があるらしい。」

「アルタイル国王がか?」

「国王様がそんな事するはずがありません!」

ミミが反論した。

「どうかなー?この前の盗賊達、国王の支援を受けた形跡があったのよ。零も、盗賊の幹部から王国関係者の指令書を見つけたから、無いとは言い切れないよ。」

「更に、レギーを襲ったスナイパー達も、国王の指令で動いていたらしいわ。金の経路を調べたら、王国関係者に行き着いたわ。」

「そ、そんな………」

情報収集能力が強いメリーと、元殺し屋の錬子が言うんだ。裏は取ってあるはずだ。

「ボス、ミミを守ってね。王国内にまた殺し屋が現地入りしたと報告が入ったわ。警戒してね。」

「分かった。」

アルタイル国王、どういうつもりだ?

俺は国王に疑念を持ち始めた。

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