第一章 異世界生活 第十七話 ゼロの散歩

4025 5 20 17:30

ペガサス王国 ペガサス城 執務室

ゼロ

「以上が報告か、アーニャ?」

俺は前で立っているアーニャに言った。

「は、レギー将校は、今日から任務に就きます。引き続き、冒険者の任務を継続するようです。」

「あいつはショックから立ち直ったと思うか?アーニャ元中将。」

「は、おそらく、そうかと思われます。」

「よろしい。君は仕事に戻れ。」

アーニャは敬礼して、

「失礼しました。」

アーニャが部屋を出た。

レギーは、少年兵を殺したことのトラウマがある。本人は克服したと言っているが、トラウマは簡単に克服できない。なぜなら、それが心に刻まれるからだ。だから、今日、レギーの任務復帰を聞いて、心配になった。

加奈子がいるとはいえ、心の傷を直すには、

時間が必要だ。

「そろそろ仕事が終わる。ふぅー。」

今の時間は17:50もうすぐ終業時間だ。

すると、ドアをノックする音が聞こえた。

「誰だ?」

「ミミです。入ってもいいですか?」

「ああ、入っていいぞ。」

「失礼します。」

ドアからメイド服のミミが入って来た。

ミミは俺のいる机に近づいた。

「ゼロ君、お仕事、もうすぐ終わりですか?」

「ああ、あと十分ぐらいで終了だ。」

「そうですか。あの、ゼロ君!」

「何だ?」

「よかったら、私と一緒にご飯を食べに行きませんか?」

ミミが俺を誘って来た?どういうことだ?

「ダメ………ですか?」

ミミ、上目遣いは反則!そんな事したら、オーケーする他ないじゃん。

「いいよ。行こう。」

「ほ、本当ですか!?良かった~。」

ミミが可愛い笑顔を見せる。

この子、本当に可愛い。

心の底からそう思った。



18:20

俺はミミと一緒に北町にやって来た。

ミミが言うには、この町に美味しいレストランがあるらしい。北町は俺の功績のおかげで、整備が進み、車両が通れる道や、警備の一部を担当したり、町の自治を担当したりするなど、北町は俺達が治めているおかげで、

発展していた。

「賑わってるな。」

「当たり前ですよ。だってゼロ君が治めているのですから。」

すると、周りの人々が、

「ゼロ?ゼロ様か!?」

「ゼロ様~!」

俺を見ようと、近くに来ていた。

てか、多いな。これじゃあ歩きにくい。

「ゼロ様!税金の改正案、良かったですよ!おかげで、税金が軽くなった!」

「ゼロ様!外の輸入品が大人気で、売り切れが続出しています!どうか、補充をお願いします!」

「ゼロ様~!私の店に来て~!」

あああ!人が多い!店に着けない!ミミと話せない!

すると、

「退いてくれ!ボスが通れない!」

「は~い!退いてね!」

付近を警備していた隊員が道を開けてくれた。隊員の肩に9のマークが入っていた。

「第九部隊か!助かった!」

「隊長から指示を受けてきました。今日はオフですか?目的の店までご案内します。」

ナイスだ!第九部隊!

「良かった~。これでミミと話せる。」

「はい!ゼロ君といっぱい話せます!」

俺達はミミのおすすめの店まで、第九部隊に助けられながら、歩いていった。

「ミミ、お前が勧める店はどんな店なんだ?」

「はい、いろんな料理があるお店です。貴族の間でも人気があります。」

貴族に人気ってことは、三つ星ぐらいか?

「お前のおすすめは?」

「最近追加された、プライドチェリーのパフェです。お店に出てからすぐになくなってしまうほどです。」

プライドチェリーのパフェは、レギーが俺に言ってきて、許可したスイーツだ。レギーが

村の約束を果たす為に、俺に頭を下げたのだ。あの時はびっくりした。レギーが頭を下げたのを初めて見たから、言葉を失ったよ。

「美味しそうなスイーツみたいだな。あるかな?」

「安心してください!私が予約して、パフェを取っております!」

「おお!そいつは楽しみだ!」

楽しく話していると、目的のレストランに着いた。高級感のあるレストランだった。

「ボス、人を呼んで、ここを警備します。お二人の邪魔をさせないようにします。」

「ああ、頼む!必ず交代制にしろよ!」

「分かりました。」

店の前は、隊員たちで規制され、隊員たちの規制線の前に人がたくさん集まっていた。

「じゃあ、入るか。」

「はい!」

俺達は店の扉を開け、中に入った。



18:50

中は広く、どんな物も高級感がある物ばかりだった。席には何人か貴族の客が座っていた。

「ミミ様、ゼロ様、ようこそおいでになりました。席はこちらです。」

店の支配人が案内して、真ん中の二人用の席に座った。

「ご注文がお決まりでしたら、机の鈴を鳴らしてください。」

そう言って、支配人は去った。

「ゼロ君。何にするか決めましょう。」

ミミはメニューを取って、何にするか決めていた。俺もメニューを取って、何にするか決めた。

さすが、高級レストランなだけあって、いろんな高級料理があるな。ドリンクも美味そうだ。何にしようか?

そうメニューを見ていると、ミミが、

「ゼロ君!これ、二人で飲みませんか?」

と言って、あるドリンクを見せた。

「お前、これはストローが二人用になっているドリンクじゃあないか。」

「ゼロ君と一緒に飲みたいんです。いいですか?」

ハアー、しょうがない。

「分かった。いいだろう。」

「本当ですか!?ありがとうございます!」

ダメだ。ミミの笑顔に負けた。

そして、俺はステーキとご飯、野菜を頼み、

ミミはパスタとスープを頼んだ。

「あ、あと、あれも二つお願いします。」

「かしこまりました。」

支配人が去る。

「ミミ、あれって何のことだ?」

「秘密です❤」

秘密って気になるわ!

「それにしても、ゼロ君。改正案の可決、良かったですね。」

「別に。俺達の世界で成立している法律を一部意見しただけだ。そんないいこと言ったわけじゃない。」

「でも、みんなからは評判がいいですよ。」

「さあ?平民からは支持を得たが、貴族の一部から嫌われたからな。今度はその貴族達を納得させないといけない。」

本当に貴族達は納得させるのは苦労する。

何人かの貴族は反応していたが、無視するか。

「確かにやる事は多いと思いますが、ゼロ君なら、きっとできますよ。私が保障します!」

ミミ………

「だから、お仕事、頑張ってくださいね!」

「………ああ!」

ミミと話していると、店員が料理を持って来た。

「お待たせしました。どうぞ、お召し上がり下さい。」

お、きたきた。

俺の前に、美味そうなステーキとご飯、野菜が並べられ、ミミの前にミートソースのかかったパスタとオニオンスープが並べられた。

「食べようぜ。」

「はい!」

そして、俺はいただきますをして、実食した。

う、美味い!ステーキの焼き加減がいい。盛り付けも美味しい。ご飯もサラダも美味しい。

「~~~~!美味しい!」

ミミのパスタとスープも美味しいみたいだな。顔に出ている。

「美味しいか?」

「はい!美味しいです!」

それにしても、ミミのパスタ、美味しそうだな。食べてみたいな。

「食べたいですか?なら、はい、あーん。」

そこであーん!?ま、い、いっか。

「あ、あーん。」

そしてミミのパスタを食べた。

美味しいけど、恥ずかしい。

複雑な気持ちになった。

そうして、完食して、俺達は口元を置いてあった紙ナプキンで拭いた。

「ふー。美味しかった。」

「はい、次はラブラブジュースですよ。」

あ、忘れてた。恥ずかしい時間の始まりだ。

「お待たせしました。カップルジュースでございます。」

名前でオチが見えたぞ。

そして、予想通り、ハート型のストローに、ピンクのジュースの、まあ恥ずかしいジュースが置かれた。

これを飲めってか?ミミと一緒に?何の罰ゲーム?

「さあ、ゼロ君!一緒に飲みましょう!」

断りたいです。

「安心してください!私も前を見て飲みますから!」

罰ゲームのルールを増やしてどうする。

ああ、腹くくるか!やってやる!

「いくぞ!ミミ!」

「はい!ゼロ君!」

そして、同時にジュースのストローを吸った。

ミミの顔が近い!あといい匂いがする!

俺は恥ずかしさと同時に理性を抑えていた。

何だ?ジュースはピーチジュースみたいたが、アルコールが入っているのか?体が熱い。

「ミミ、このジュースは何だ?」

「はい!このジュースは、二人で飲むと、互いの事を好きになるジュースです。」

つまり相手が限定された惚れ薬みたいなジュースか。

「そして、飲み終わると、相手の事しか考えなくなります。カップルの完成です!」

そんなジュースなのか!?もう飲み終わるぞ!

ジュースがなくなり、その頃には、俺もミミも出来上がっていた。お互いの事を考えてしまい、顔も見れない。

やばい。ミミって結構可愛い。抱きたい。

いや!何考えている俺!?ダメだ。俺のブレーキが壊れかけている。

「ーーーーー。ゼロ君って、結構かっこいいね。私、ゼロ君だったらいいよ。好きにしても❤」

やめて。俺のブレーキを壊さないで。俺の中の、いや、男の中の野獣が目覚めてしまう。

ああ、誰かこの状況を何とかしてくれ。

すると、いつの間にか、机の上にウイスキーが置かれていた。

年代物のウイスキーだな。飲んだら楽になるのか?

そう思い、コップに一杯注いで、飲んだ。

ああ、美味い。喉にしみるなぁ。

もう一杯、注ごうとすると、ミミがウイスキーを取って、そのまま飲んだ。

おいおい!それ、かなり度数高いんじゃあないか?

「ふぅ~。美味しいです。」

あ、意外に大丈夫だった。

「ゼロ君。ゼロ君ゼロ君ゼロ君。」

なぜ何回も呼ぶ?

「私、もう抑えられません。限界です。」

俺もだよ畜生。ああ、ダメだ。まともに帰れない。誰か助けて~~(m´Д`)m

「………ボス?」

「ん?おう!?あ、錬子か。」

いつの間にか錬子とメリーが横にいた。

「アハハハハ!ボス、面白い!アハハハハ!」

メリー、笑うな。

「わ、私達が送るから、ふふふッ、ほら、手を出して。ふふふッ。」

錬子、笑いを堪えているみたいたが、覚えておけよ。

「私はゼロ君ならいいよ!」

「ミミ、少し黙ってくれ!」

ハア、疲れた。早く帰りたい。トホホ

俺は抑えながら、店を出た。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます