第一章 異世界生活 第十五話 村との取引

12:30

レギー、加奈子

目的地に到着し、商人を守る態勢に着いた。

商人の話では、この村はペガサス王国の支援を受けている村で、この村でしか収穫出来ない作物があるため、王国が商人を通して、その作物を取引している。商人と村長はとても仲が良く、取引はスムーズに進んでいた。

俺は商人との集団の護衛の為、彼らの近くにいた。加奈子も一緒だ。

零は、カイム、クーフェ、エリと一緒に村の警備をして、支援隊は車の警備をしていた。

昼飯は道中で食べたから腹はいっぱいだったが、村でしか収穫出来ない作物が気になり、

正直、その作物を食べたい。

「レギー、どうしたの?」

隣にいた加奈子が話しかけた。

「いや、村の特産品の作物が気になって。」

「あ、あれがその作物じゃない?」

商人のところを見ると、村長の手にそれがあった。ピンク色のハートの形をした果物みたいだった。

「あれ、うまそうだな。」

「おいしそ~。」

俺と加奈子はその果物に釘付けになった。

「気になりますか?」

村人の一人の男性が話しかけた。

「ああ、何て果物だ?」

「プライトチェリーという果物で、甘くて、貴族たちでも人気の果物です。どうです?食べてみますか?」

男性は村人の一人から果物を二つもらって、

俺たちにくれた。

「いいんですか?ありがとうございます。」

加奈子がお礼を言った。

「いえいえ、あなた方は外から来た傭兵ですよね?商人のリーダーさんから聞きました。」

「ええ、そうですが。」

「どうですか?この国は?」

どうって。まだ何とも言えないが、

「いい国だな。飯も美味いし、町には娯楽がある。飛ばされた時はびっくりしたが、危険が少なくて、良かったよ。」

「そうですか。それなら良かった。」

それからプライトチェリーを食べた。

こ、これは!

「美味い!」

「おいしい~!」

食べた感触はマンゴーみたいだったが、味はピーチみたいに甘くて、美味しかった。

「これ、美味いな、加奈子!」

「うん!シャーベットにしたら、きっと美味しいよ!」

すると、村の男性がこう言ってきた。

「あのーすみません。そのシャーベットというのは何ですか?」

ん?この村はシャーベットを知らないのか?

ってそうか。魔術が発達した世界だもんな。

シャーベットを知らないのも無理もない。

「シャーベットというのは、俺たちの世界ではデザートとして有名で、冷たくて、甘い味のある食べ物だ。」

「最近だと、シャーベットパフェが人気だよ。これは女子で有名なんだー。」

「ほう、一体どんな物なんだ?」

これは見せた方が早いな。

「クラックス!車に携帯用のシャーベットパフェがあるはずだ!取って来てくれ!」

「了解!」

俺は隊員に指示して、シャーベットパフェを取りに行かせた。

そしてすぐに、

「隊長。取って来ました。」

「ありがとう。他のみんなにも分けてくれ。」

「分かりました。」

隊員は敬礼して去って、みんなに他のシャーベットパフェを分けに行った。

「それがシャーベットという食べ物ですか?きれいですね。」

「食べてみますか?美味しいですよ~。」

俺は男性にシャーベットとスプーンを渡した。

「では、いただきます。」

そして男性の口にシャーベットが入る。

しばらくすると、

「う、美味い!冷たくて甘い!こんな食べ物を君たちの世界で普通に食べているのか!」

すると、その様子を見ていた子供達が近寄ってきた。

「おじさん。それ、何?」

「シャーベットという食べ物だ。お前たちも食べてみろ!美味いぞ!」

子供達が男性の周りに集まって、シャーベットを一口ずつ食べた。

「美味しい!」

「ひんやりしてる!」

と、子供達から好評をもらった。

「お兄さん、これ、もっとある?」

子供からこんな質問。シャーベットはもうないから、あれにしよう。

「シャーベットはもうないが、代わりにチョコバーをあげよう。」

「チョコバー!?何それ!?」

「美味しそうな名前!」

「早くくれよ!」

意外に人気だな。確か………

それから村の子供達にチョコバーをあげ、他の大人達も加わって、賑やかになった。

俺はこの機会に村長にプライトチェリーのシャーベットを作ることを約束した。村長は喜んでいた。商人もプライトチェリーのシャーベットが気になり、期待してくれた。

そして、取引が終わり、王国に戻ろうとした時、村長達がある忠告をした。

「レギーさん、どうか、魔弾スナイパーに気をつけてください。」

「魔弾スナイパー?」

「依頼で相手を狙撃する殺し屋です。よく倍率レンズを付けた憲兵銃で狙撃していたのですが、最近は外の狙撃銃を使って、いろんな人を狙撃しています。噂では、あなたたちの狙撃を目的にしていると聞きます。どうか、道中気をつけてください。」

魔弾スナイパーか、ドクの襲撃を依頼した奴がまた殺し屋に依頼したんだ。帰りに襲撃される可能性が高いな。

「ありがとう。帰りはより警戒していく。」

村のみんなにお礼を言って、馬車に乗った。

15:38

そして無線で、

「各員、帰りは狙撃に警戒しろ。村人たちが言うには、俺たちを殺すためにスナイパーが待ち伏せしている可能性が高いとの事だ。注意しろ。」

と注意を促し、カイム達に話を聞いた。

「魔弾スナイパーという殺し屋を知っているか?」

「知ってる。毎回話題になるぐらい有名だ。」

「よく貴族や、王族などの高い身分の人達を狙撃しているわ。」

「腕はいいか?」

「もちろん。確実に頭か心臓を当てているわ。」

カイムたちが答えた。

魔弾スナイパーは、よく依頼で狙撃するらしい。腕が良く、依頼する奴らから人気のようだった。前まで憲兵銃を使っていたものの、武器商人から高性能の狙撃銃を買ってから、依頼の数が多くなったらしい。

「そいつに遭遇する可能性が高い。注意しろよ。」

カイムたちがその事を聞いて、震え上がった。

「魔弾スナイパーは狙撃では誰よりも上か?」

エリが、

「ええ、奴より狙撃が上手い奴はいないわ。」

「なら、もし、奴に遭遇した場合、俺が一番になるかもな。」

「え?」

「俺はスナイパーを兼任している。もし奴に遭遇したら、俺にやらせろ。俺の方が狙撃が上手い事を証明してやる。」

カイムたちは驚いていた。

「お前、狙撃は上手いのか?」

「それでひと稼ぎした事がある。」

加奈子が答えてくれた。

「彼が軍にいた頃は、(アメリカの守護神)って呼ばれていたわ。レギーの狙撃の腕は全部隊の中で一、二を争うわ。」

「マジか!その時は頼むぜ。」

「ああ、任せろ。」

俺はカイムたちを安心させた。

その瞬間、

バシュン!

俺達が乗っていた馬車の運転手の頭が吹き飛んだ。

その後、馬も狙撃され、俺達の荷台が転んだ。

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