第一章 異世界生活 第十一話 尋問

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ペガサス城 尋問室

捕まった男

目が覚めると、どこかの地下室に座らされていた。灯りは立て掛けてある燃えている木しかなく、薄暗かった。机の上には、光っているランタンが置かれている以外何もなかった。

ここは……そうか。尋問室か。

俺は直感的にそう思った。俺に情報を吐かせるつもりでここに連れて来られたんだ。

銃でぶつけられたところがまだ痛い。どれだけ強くぶつけられたんだ?

そう思考していると、左の扉から、見たことのない柄の服を着た黒髪の少女が入ってきた。

「あ、起きたね。グッドタイミング。」

そう言って、俺の前の椅子に座って、俺に話しかけた。

「ごめんね。ぶつけたところ、まだ痛い?」

「い、いや、もう大丈夫だよ。」

「そう?痛かったら言ってね。」

この少女、優しいな。こんな少女が尋問官だとは思えない。

「さて、まどろっこしい前振りはなしにして、本題に入ろうか。」

「………!」

「あなたに情報を吐かせるよう上に言われたけど、あなたには何が何だか分からなそうだから、ここまでに何があったのか教えてあげる。」

そう言って、女は持って来たバックから何やら見たことがないものを出した。

「それは?」

「知らない?パソコンだよ。ここでも使えるようにしたの。」

パソコン?聞いた事がない。こいつもしかして………

「あんた、外から来た奴か?」

「?ああ、そうだよ。」

やっぱり。奴らの傭兵が尋問しに来たんだ。

「ほら、これを見て。」

そのパソコンが開き、何かの映像が映していた。映像はすごく綺麗だった。

「何だ?映像魔法の機械か?」

「映像魔法?ああ、あんたたちの国だとそう呼ばれるのね。」

「違うのか?」

「まあね。それよりこの映像を見て。これは今から一日前の映像だよ。」

映像には王国の南にある仲間の拠点が上から映っていた。

「無人機からあんたたちの仲間の拠点を見つけてね、これは昨日の夜の映像だよ。」

「いつ気づいた?」

「五月三日にはすでに特定して、その次の夜にはもう奇襲作戦を実行したよ。」

「これはその時の映像か?」

「うん。ついでに通信も聴かせてあげるよ。」

パソコンのボタンみたいなところを押したら、作戦のやり取りが聞こえてきた。

『アルファ、こちらブラボー。位置についた。』

『チャーリー、位置についた。』

『こちらアルファ、位置についた。』

アルファと言われたチームは建物の一階を包囲し、扉や窓に隠れていた。

ブラボーと言われたチームは二階の窓に張り付いていた。どうやって二階について浮いて、張り付いているのだろう?

チャーリーと言われたチームも三階に同じように張り付いていた。

「あいつらは、どうやって張り付いているんだ?」

「秘密です。」

喋ってはくれないか。

『よし。王国側から灯りを消す手筈になっている。その合図で突入するぞ。』

『了解。相手は食事で外には気づいていない。今ならチャンスだ。』

『指令部、こちらは準備完了だ。王国側から合図は?』

『あと一分後、魔術師が魔法で灯りを消すと言われました。』

『了解。あと十秒でカウントしてくれ。』

『了解しました。』

そして残り十秒の時、

『残り十秒。』

『レディー………』

兵士たちが銃を構え、

『三、二、一、突入!』

灯りが消えた瞬間、扉や窓を破り、中に入った。

「映像切り替えますね。」

女がボタンを押し、兵士の映像に変わった。

『動くな!そのまま伏せてろ!』

一階に突入した兵士の映像だった。

食事をしていた男たちを一喝して、そのまま机に伏せさせた。

一階の仲間は制圧されていた。

二階に突入した兵士の映像に切り替わって、

男を押し倒しているところを映した。

『クリア!』

『大人しくしろ!』

すると、

『三階に逃げたぞ!』

どうやら二階の奇襲を逃れた一人が、三階に逃げたようだった。

『こちらで対処する。』

と言った瞬間、

パラララララララララ

銃声が鳴った。

『交戦する。』

映像が変わり、三階の階段の近くで待機している兵士の映像に変わった。

銃を構え、階段に登ろうとした奴に、

ドドドン

三発撃ち、男を殺した。男は銃を持っていた。

『容疑者一名射殺。』

『了解。そいつで最後よ。』

『分かった。全員、奴らを連行しろ!』

そう言って兵士が移動したところで映像は終わった。

「この作戦によって、盗賊のほとんどが捕まって、数人射殺したの。その途中で裏口から逃げる男を確認して、そのまま泳がせていたら、あなたたちの野営地を確認して、別動隊を向かわせたの。後はあなたの想像通りよ。」

「クソ、やっぱり尾行されていたのか。その無人機?とやらで。」

「うん。その通りよ。その野営地から大量の武器と弾薬、作戦計画書などを見つけて、あなたたちの計画を阻止した訳よ。」

「…………」

「問題はあなたたちは誰に指示されていたか、そこなのよ。」

俺に情報を吐かせようとするのか?

「それは………まあ、そうね。そうなるわね。」

「言っておくが、俺は口は堅い方だぞ!そんな簡単に喋らない!」

「………ふーん、そうくるかー。こりゃ、楽しみだね😄」

「……………!!!」

な、何だ?こいつも顔が変わったぞ!

「ねぇ、本当に喋らない~?私、そういう強がり、嫌いなんだよねー。」

「何度言われたって喋らないぞ!」

「…………分かった。じゃ、これ見て。」

突然パソコンに映像が映った。

!俺の家!?何で!?

「ガベル。あなたの名前ね。」

「!俺の事調べたのか?」

「ええ、王国側からいろいろ情報をもらったわ。ガベル、35歳、盗賊。あなた奥さん二人の娘さんがいるのね。以外だったわ。」

………!

「これはプレデターのライブ映像よ。私の指示一つでこの家を爆撃する事が可能よ。ちゃんと話せば爆撃しないでおくわ。あ、この家にちゃんと家族はいるから安心してね。」

「クソ!お前、イカれているぞ!家族を人質にとって俺を脅すなんて!」

「フフフフフフフフフフ」

「!?何笑っているんだ?」

「フフフフフフフフフフ。いや、面白くてつい、笑っちゃった。フフフフフフフフフフ。」

こいつまじておかしいぞ!

「フフフフフフフフフフ。さあ、話して。これで最後よ。」

「………く!」

「後十秒❤」

………や、やめろ。やめてくれ。

「後五秒❤」

もう、やめてくれ。

「後3、2、い」

「分かった!話すから、話すから!」

「…………フフフフフフフフフフ。アハハハハハハハハハハ!」

………!

「そいつはどこ?」

「ここから北にある国だ。後は奴らに聞け!だから家族は殺すな!」

「家族は殺すな、か。愛ってすごいね。もう死んでいても、諦めないなんて!アハハハハハハハハハハ!アハハハハハハハハハハ!」

………え?

「この映像、実は中継じゃなくて録画。作戦終了後に偵察した時の映像だよ。お、来た来た。」

映像の家の前に一人の黒装束のやつが現れた。何か手を出して、魔方陣を出現させた。

「ま、まさか!」

「始末屋だね。恐らく北の国の。恐らく私たちの作戦を知っていて切り捨てたんだろうね。」

あああ…………

「見ててよ。3、2、1、ボン。」

瞬間、家が爆発した。跡形のなく爆発した。

「……………」

言葉も出なかった。あまりに衝撃的過ぎて、

この映像が偽物だと疑う。たが、こいつがこんな嘘をつくはずがない。

「アッハハハハハハハハハ!アッハハハハハハハハハ!」

女が笑う。

「アッハハハハハハハハハ!あなた、絶望しているね。やはり犯罪者にはこれがいいね!アッハハハハハハハハハ!」

こいつ殺してやる。殺してやる!

そう思い席を立って首を絞めようとした。

「アッハハハハハハハハハ、ん?ああ、あなた、貴族から死刑判決が出たから死んで。」

は?

バン!

肩を撃たれ、そのまま仰向けに倒れた。

痛。クソ痛ぇ。

「アッハハハハハハハハハ!最後に一つ良いことを教えるよ。」

………く、な、何だ?

「自衛隊派遣の際、イラクの民兵は私の事何て呼んでたか知ってる?」

………………

「黒の悪魔、って呼ばれてたの。残忍さと強い力を意味しているわ。私は悪には地獄寄り恐ろしいところに堕としてやるって決めているわ。」

…………………!!!!

その女の顔はもはや人間の顔ではなかった。

人間の皮を被ったナニかだった。悪魔の顔にそっくりだった。

「だから………シネ。コノクズガ。」

バンバンバンバンバンバンバン!

キン キキキン

「………?私、またやっちゃた。まあいいや、さっさと報告しよー。」

ガチャン

……………クソ………………

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