第一章 異世界生活 第七話 王との交渉

城の入り口の扉が開き、中で出迎えたのは、

「「「ようこそお越しになられました。」」」

10人のかわいいメイドだった。青を基本としたメイド服を着こなしていた。髪の色、髪型、顔などの違いがあるが、動作だけは揃っていた。

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」

零が尋ねてきた。

「あれ、東京の喫茶店で見たやつと同じ?」

「バカ!あっちは本職のメイドさんだ。秋葉のメイド喫茶とは違うぞ。」

「本格のメイドさん、初めて見た~!」

零が興奮している。本物のメイドを見るのは初めてらしく、メイドたちをしっかり見ていた。

すると、銀髪のメイドがこっちに来た。

「はじめまして、異世界の皆さん。私はペガサス王国のメイド長を務めています、スターライトと申します。ここから先は私たちが王室まで案内致します。どうぞこちらへ。」

そう言われて、俺たちはメイド長のスターライトに付いて行った。他のメイドたちも後ろに並んだ。ジョスは準備のため別れた。

王室に行くまでの道は、豪華にカーペットが敷かれ、壁にはこの国のものらしい絵画、天井はシャンデリアが付いていた。

外観にも負けないぐらい豪華で、ついつい周りを見てしまった。それを見た青髪のメイドは「フフフッ」と笑った。俺は恥ずかしくて横を見た。零が不機嫌になっていた。

「零。どうした?」

零は答えない。

「何怒っている?」

「あのメイドさんに気に入られた。腹がたつ。」

「は?お前何言っているんだ。俺はただ……」

するとさっきの青髪のメイドが話しかけてきた。

「不思議ですか?」

「い、いや、豪華そうでつい気になって。」

「分かります。私も最初に来たときはびっくりしましたよ。こんなにきれいな廊下をを通って周りをキョロキョロしました。」

「あ、やっぱり。この国の人はここに来れただけで幸せなのか?」

「このお城で働くにはたくさん勉強しないといけません。お城に入ること自体かなり難しいのですよ。」

「へぇ~。そうなんだ。(やばい。この子すごくかわいい。)」

まさか心まで年齢相応になっているとは。さっきからこの子を見ていると熱い。

そこからは俺とミミ(後から教えてもらった)

でお互いのことを話し合った。意外に俺と似ているところがあって、楽しく話した。

ミミ(ミミーレ)はこの王国の南にある町出身で、前まで町の店で親の手伝いをしていたという。ある日、王国関係者からペガサス城のメイド試験の合格が伝えられ、ここに来たという。親の手伝いのおかげで仕事もすぐ覚えられ、他のメイドたちとも仲が良くなり、楽しく仕事していると話した。

俺はすごいと褒めると、彼女は天使のような笑顔で笑った。俺はそんな笑顔に俺は惹かれた。この笑顔を何度も見たいと強く思い始めた。

他の様子を見ると、みんなメイドたちと話していた。意外にもテットがメイドたちの中では幼い12、3ぐらいの金髪のメイドと楽しく話していた。普段から笑ったところを見ないテットが楽しく笑っているのは久しぶりに見た。何故笑っているのかは分からないが。

そうこうしていると、王室の前まで来た。

メイド長のスターライトが、他のメイドたちに横並ぶよう言った。幸いミミとは隣だった。そして、スターライトが、扉の前で、

「お待たせしました。ペガサス王国国王アルタイル様、女王レインボー様がお待ちしております。どうぞこちらへ。」

そして王室の扉を開けた。

中に入ると、学校の体育館より広い部屋だった。イギリスの王室みたいに黄色い模様の壁や床で広がっていた。真ん中の赤い絨毯の道を通って進んだ。

横には抱え剣をした兵士が並んでいて、歓迎してくれた。

そして、前の真ん中の王座に座っているアルタイル国王と、その左に座っている女王レインボーを見つけた。二人共60代ぐらいで年をとっていたが、気品ある服と明るい目で王の威厳を見せていた。右に娘らしき少女が座っていた。10代後半ぐらいの優しそうな顔をしている少女で、笑顔が絶えなくあり続けていた。

その手前に宮廷魔術師が横一列に並んでいた。

俺たちはその前に並んで立って、俺が一番前に出ようとした。ミミに一言言って、前に出た。

俺は仲間たちにサインを送って、ある用意をさせた。そして静かになった後、俺は会社の挨拶をやった。

「抱え銃!!!」

銃を左肩に立て掛けるように持った。

「国王陛下たちに敬礼!!」

右手で敬礼をした。その行為に周りが関心した。国王陛下に対して敬礼したことに周りの好感度が上がった。

「直れ!!」

隊長たちが直って、

「休め!!」

休めの体勢になった。

国王はその行為を見て、関心した様子で言った。

「素晴らしい。見事な統率力だ。さすが異世界の戦士だ。直りたまえ。」

俺たちは銃を下げ、気をつけの姿勢になった。

「改めて挨拶しよう。私はペガサス王国国王アルタイルである。」

「女王のレインボーよ。」

「王女のフィリーです。」

王国の国王たちが挨拶した。

「皆さん、初めまして。私はこの部隊の指揮官のゼロールと申します。国王陛下に会えて光栄です。」

そして一礼した。

「うむ。先程は我が兵士たちを助けてくれたな。礼を言おう。」

「いえいえ。当たり前のことをしたまでです。そんなに言われることは…」

とここからはビジネスマンお得意のさりげない会話からスタートする。こういう会話から本題に入っていくのは交渉の基本だ。そしてある程度話した後、本題に入った。

「ところで騎士団長様から助けてほしいと言われましたが、あれはどういう事ですか?」

その瞬間、空気が変わった。アルタイル国王も目が変わっていた。周りも静かになった。

さぁ、ここからが勝負だな。

「………ジョス、説明しろ。」

「はい。」

ここでジョスが右の扉から出て来て、王たちに一礼してから、説明した。

「今から一週間程前、北の道を通っていた行商人が覆面をかぶった集団に襲われました。行商人はその場で死亡、覆面集団は資源が入っていた馬車ごと奪い、逃走した模様。それ以来、行商人や冒険者の襲撃が多発しました。」

「ただ事ではないなぁ。犯人の特定は?」

「生き残りの行商人や冒険者の話によると、服装は見たことがない服などを着ていて、憲兵銃ではない武器で撃たれ、すぐに逃げたと言っていました。」

変だ。

「憲兵銃とは?」

「この国でも使われている歩兵銃です。単発式なのですが、彼らが言うには、連射する見たことがない銃で撃たれたと。」

「強盗ではないのか?」

「最初はそう考えましたが、冒険者の集団にも襲っているので、その考えを捨てました。」

「その武器はあるのか?よければ拝見させてもらえると助かるのだが。」

「奇跡的に、冒険者が奪った武器がこちらで保管しています。我々は見たことのない銃で検討もつかないで、助かります。おい。」

ジョスは部下に、その銃が入っていると思われる箱を持って来させた。

「こちらに入っています。ご確認してください。」

俺は机ぐらいの大きさの箱を開けた。

中には、どれも知っている銃が並んで入っていた。俺は一つずつ確認した。

「AK-47、AK-74u、G3、RPD、PP-19、KSG、マカロフ、G18、どれもテロリストが好んで使う銃ですね。これらを覆面集団が持っていると。」

問題はこれらの銃を横流ししているやつがどこにいるかだが、それは後で考えよう。

「その通りです。それらはすべてあなた方の世界で使われている銃で間違いありませんね?」

「ああ、間違いない。もしかして、俺たちを召喚した理由はそれか?」

ジョスは答えない。つまりは、自分たちだけでは対処できないから、俺たちを召喚した。そういうことだった。

「ちなみに、召喚方法は銃をたくさんあるところにセットしただろ?あの世界では、俺たちが一番銃を所有していたからな。」

「……………!」

「ここにある銃はすべて持っているからな。あらかた目星が付いていたいたのだろ?」

「……さすがです。そこまで気づいていたとは思いませんでした。」

「で、俺たちに何をしろと?まさか俺たちの戦争に参加しろとか言うんじゃないだろうな?」

ジョスは王に視線を向けた。どうするべきか迷っているのだ。

「本来ならそうしたいところだが、お前たちは異世界から召喚されてここに来たのだ。無理に強制することは出来ないのだ。どうするんだ?異世界の戦士よ。」

俺は悩んだ。この様子だと、元の世界には戻してもらえないだろうし、かといって、断るのはなぁ…

そこで俺は閃いた。双方が納得のいく条件を。それを言ってみよう。

「分かりました。今から言う条件を満たせばあなた方に協力します。」

王国側から驚きの声が挙がる。

「協力するとは。」

「しかし、どんな条件を出すんだ?」

「出来る範囲ならいいのだが……」

貴族から心配の声が挙がった。

「ご心配なく、あなた方でも出来る条件です。」

「どんな条件だ?」

アルタイル国王は言った。ここだ。

「まずこの国に我々の拠点を置くことを許可してもらいたい。そうすれば、ここに最新の武器や兵器を置くことができ、あなた方を支援します。」

「なるほど。力を貸してもらう代わりに、ここに拠点を置かせろということか?」

「はい。あと、俺たちの何人かを冒険者として出したい。その場合の援助をお願いしたい。」

「ボス。何のためだ?」

テットが質問した。

「俺たちも金が必要になる。冒険者は自由という意味ではちょうどいい。金稼ぎや、調査も兼ねて仕事が出来る。」

「つまり我々の何人かを偵察として送ることを可能にしておくということか?」

アーニャが言った。

「その通り。ちなみにここのお金はどうなっているの?出来れば教えてもらいたいんだけど。」

「国王様。私に彼の質問の説明の許可を。」

そう進言したのはミミだった。

「出来るのか?」

「はい。お任せください。」

「分かった。説明しろ。」

「ありがとうございます。国王様。」

ミミは俺の前に立った。

「ゼロ君、今からミミがこの国の説明も兼ねて教えましょう。」

ゼロ君って……

「まずこの国は世界で二番目に力のある国です。戦争前は賑やかな都市で有名だったのですが、戦争が始まってからは静かになりました。相手国は隣のサンシャイン王国です。この国とはそれまで友好関係だったのですが、ある日を境に、軍事行動が目立つようになりました。」

「強盗の襲撃か。」

カーズが言った。

「その通りです。強盗たちの襲撃から、彼らの行動が目立つようになりました。おそらく彼らに武器を渡した犯人がサンシャイン王国の背後にいるのでしょう。」

「そうなると、強盗たちの襲撃は囮ということですか?」

ドクが質問した。

「はい。おそらくは、軍事行動をするための囮です。彼らもその犯人の支援を受けている可能性が高いです。」

「この国のことについては分かった。で、肝心のお金はどういう感じなの?」

錬子は次に進ませるために質問した。

「この世界では、一番下から、小銅貨、銅貨、大銅貨、小銀貨、銀貨、大銀貨、小金貨、金貨、大金貨、そしてこの国でも10枚しかないエメラルドコインがすべてです。」

意外に多いな。そんなにお金の種類があるのか。

「貨幣はないの?」

零は質問した。

「まだこの世界では、貨幣制度はありません。」

「そ、ありがと。」

なるほど、まだどれがどのくらいの価値があるのか分からないが、とりあえずまた考えるか。

「ありがとう、ミミ。」

「どういたしまして、ゼロ君。」

「さて、なぜこの質問をしたかというと、俺たちはいわば一つの軍隊だ。金がないと機能することが出来ない。そのため、我々に活動するための資金援助を頼みます。国王。」

さぁ、どうだ。こう言えば、はっきりするのか?

「あなた方のメリットは我々という戦力と技術、情報などを手に入れることができます。代わりに、我々の拠点を設置するための土地と資金援助、冒険者の登録を頼んでいます。どうでしょうか?」

アルタイル国王はしばらく悩んだ後、

「よかろう。その条件を呑もう。共に戦おうではないか。」

成功だ!

「ありがとうございます、陛下。」

「いや、お前のその度胸が気に入った。素晴らしい戦士だ。どうだ、握手を交わさないか?」

「分かりました。これからよろしくお願いします、国王陛下。」

そして、お互いに握手を交わした。

その瞬間、後ろから盛大な拍手が起こった。

世界で初めて公式の場で握手したところを間近で目撃しただからだろう。

仲間たちから祝福の声が挙がった。

そして、王に一礼した後、ミミにお礼を言った。

「ありがとう、ミミ。助かったぞ。おかげで交渉がうまくいった。」

「いえ、あの時は私がそうしたいから、動いたまでです。あの交渉の功績者は間違いなく、ゼロ君ですよ。」

「いやいや、ところでなぜ俺をこんなに助ける?」

「え?」

「見ず知らずの男にだぞ。なぜこんなに助けてくれる?」

「そ、それは………好きだからですよ。」

え?

「………………!やっぱり恥ずかしいです!何でもありません!失礼します!」

ミミは顔を赤らめながら、走っていった。

………………え?マジ?

俺は認識するのに時間がかかった。

仲間たちからはすごくいじられた。幸せ者とか、爆発しろとか言われた。俺はしばらくミミの言ったことに呆然としていた………











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