第137話恋心

ゆうには、密かに想ってる女の子がいる。


同じクラスの女子で特に目立つ訳でもない存在だ。


その子がある日、突然、転校する事になった。


ゆうは、焦った。


何も言えずにサヨナラする事になる。


ゆうは、家に帰って必死に手紙を書いた。


自分の気持ちを悟られないように考えて書いた。


女の子は、週末には引っ越す。


ゆうは、金曜日の夜に女の子の家の前に立った。


ドキドキしながらポストに手紙を入れた。


「ゆう君!ゆう君!」


渚に授業中に起こされた。


夢を見ていたのか‥‥。


「ゆう君どうしたの?」


「別に‥‥。」


ゆうは、雨が降っている窓の外を見ながら答えた。


あれから女の子はどう過ごしているから分からない。


ただ、風の噂で東京に引っ越した事だけは分かっていた。


ゆうは、アクビをした。


小学生の時の話だ。


ゆうは、手紙に自分の名前は書かなかった。


【頑張れ!】


そう書いただけだった。


本当は、サヨナラしたくなかった。


しかし、週末があけて月曜日に学校に行くと当然だが女の子の姿はなかった。


その時にゆうは本当の意味のサヨナラを覚えた。


さようなら‥‥。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る