第88話人生

「ゆう君!人は挫折して強くなるんだよ。」


「はぁ?渚、お前も挫折知らずだろ?」


「小さな挫折は何回でもしてます!」


本当かよ?と思いながらおもいっきりスマッシュを打ったがあさっての方向に飛んで行った。


「重傷だな。」


誠、舞、美里がうんうんと頷いた。


「うるせーな!」


とゆうが三人を睨んだ。


「今さっき、俺達に負けたくせに。」


「ん!」


負けたというか、ほとんどゆうがミスして負けたという感じである。


ゆうは、卓球台に倒れた。


「スランプって怖いな。」  


誠が呟いた。


「でも、あんな必死なゆう見たの初めて。ちょっとカッコいいかも。」


と舞が言った。


美里は、黙って見ていた。


ただ、渚は焦ってはいなかった。


スランプを乗り越えた時に前より強くなる。


「あー!」


と叫んでゆうは、ラケットを床に投げつけた。

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