第62話無償の愛
一週間、渚は口を聞いてくれなかった。
ゆうは、珍しくへこんだ。
しかし、渚は部室にも来るしゆうの部屋にも来る。
それでも口は聞いてはくれなかった。
「反省してますか?」
「うん。」
「うんじゃなくて?」
「はい。」
「よろしい。」
ゆうは、空気を失った一週間だと感じた。
こんなにも、ぼっちのゆうには渚が必要なんだと気付かされた。
もう、怒らせるような事はしないと心に誓った。
「渚、渚、ペナントレース優勝したよ。」
「良かったね。じゃあ、クライマックスシリーズ勝たないとね。」
野球ゲームの話をずっと渚にしたかった。
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